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高齢者を見守り支援するヴァーチャルエージェント技術

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KITサイエンスカフェ
~日本最北の工学系大学におけるアウトリーチ活動

2024年12月27日北見工業大学 工学部
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工学ホットニュース

 北見工業大学では、AI駆動型研究推進組織として2023年3月に「AIコモンズ」を設置しました。これは、AI技術を軸としたICTインフラおよび人的繋がりの両面での「知のインタフェース」を構築することにより、地域ニーズや異分野研究とのマッチングを推進し、一層の地域課題解決に取り組むことを目的としています。本学には現在、「農林水産工学」「ゼロカーボン」「環境防災」「冬季スポーツ科学」といったそれぞれの課題に専門的に取り組む4つの研究推進センターが設置されており、AIコモンズはこれらを繋ぐ役割として設置され、単一分野の課題解決では対応できない問題に対してAI・データサイエンスの利活用を通じて得られる知見を基により実践的かつ地域ニーズを的確に捉えた取り組みを推進することを目指しています。また、AIコモンズ設置準備期間においては、セミナーやサイエンスカフェを開催し、学内でのAI技術・教育の共有、学外へのアウトリーチ活動等を進めてきました。セミナーについては「AIセミナー」と題して学内外のAI研究者による英語でのセミナーを行い、教員のみならず博士後期課程の学生を含めた研究者に対してAIの深い議論が行える場を提供してきました。また、「KITサイエンスカフェ」と題したサイエンスカフェを2022年11月より定期的に開催し、北見工業大学の向かいにあるホールを利用して、開放的な空間で一般の方に向けたサイエンスに寄り添う機会を作ってきました。

テーマの利用・大学での取り組み

 北海道北見市に位置し、日本最北の工学系大学である北見工業大学では、地域コミュニティにおいて、科学に触れる機会を創出することを目的に、2022年度よりKITサイエンスカフェを開催しています。サイエンスカフェは、研究者と市民が科学について自由に語り合う場を提供するアウトリーチ活動です。参加者はコーヒーを片手に、専門知識を前提とせずに気軽に参加し、本学のユニークな研究者・研究トピックの話を楽しむことができます。当初は、コミュニケーションが新型コロナウイルス感染症の影響によりイベントを行うことの困難もありましたが、これまで7回にわたり、大学近隣のコミュニティ施設にて開催しています。本イベントでは本学の教員による発表だけでなく、学生の参加も大きな特徴のひとつで、例えば海外の打ち上げ競技会に参加した宇宙開発サークル「Nociws」のメンバーが活動報告を行ったり、大学天文部と地元の天文愛好家が企画した星空観望会を実施したりと、学生を巻き込みながら、市民と科学の魅力を共有できる取り組みをしています。テーマの選定においても、「ノーベル賞を知ろう!」と題して有機化学の分野の話題(第1回)、「オホーツクのすこし気(⽊)になるお話」と題した植物学(第2回)、その他防災科学、食品科学、情報科学、天文学など、本学の若手研究者を中心とした様々な科学分野の最先端の研究トピックを取り上げてきました。

今後の展望

 AI駆動型研究推進には技術的な繋がり、とくに深層学習や強化学習といった計算機リソースを大きく使用する技術へのサポートが重要です。そのため、2025年3月を目処にGPUサーバを導入し、学内ユーザの共有環境を整備することで、AI推進をICT技術の面で支えます。また、「人的繋がり」が研究推進における駆動力となることから、クラウド環境を利用したコミュニティ形成を進めていく予定です。北見周辺のオホーツク地域には、北海道に関係の深い地域課題(農林水産工学、冬季スポーツ)や、日本全体および地球規模の課題(環境防災、ゼロカーボン)といったローカル、グローバルの両面での重要課題に直接取り組める環境が整っています。AIコモンズでは、その「課題の最先端」において、解決手法の最先端ともいえるAIを駆使して取り組むことを目指しており、研究のみならず教育面でも連携を強めていく方針です。教育面では、本学が参画している「数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアム」の動きと連動し、MDASH認定を基に、実務家教員による実践的なデータサイエンス教育を推進し、AIを駆使した問題解決ができる研究者の育成を進めていく予定です。

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