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まだ知られていない厳冬期の絶景を求めて

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理想的な人間の活動領域の実現へ向けて

2020年4月17日富山大学 学術研究部(都市デザイン学系)
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工学ホットニュース

 現在、世界のすべての国がSDGsに取組む中、富山県および富山市は2019年度の「SDGs未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」の両方に選定され、地方創生の深化と各種施策の展開にあたりSDGsの観点を取入れ、地方創生とともに国際社会の共通目標の達成に鋭意取組んでいる。富山大学はその活動に積極的かつ主体的に協力するとともに、都市デザイン学部ではSDGsの達成とともに、それに欠かせない「理想的な人間の活動領域の実現」に関する教育と研究を行うための実験実習棟を新設し取組みはじめている。

SDGsと理想的な人間の活動領域

水理実験室

 富山大学都市デザイン学部では、理想的な人間の活動領域、すなわち安全・安心で快適な都市(人間の活動領域)の創出を目指すもので、ハード・ソフトの両面から人間社会と自然環境とが共生する理想的な社会の実現を目指している。このことはSDGsにおける「⑪都市」に直結することはもちろん、人間社会と自然環境とが共生した快適な都市という観点で「⑥水・衛生」、「⑦ エネルギー」、「⑨イノベーション」、「⑫生産・消費」、「⑬気候変動」、「⑭海洋資源」、「⑮陸上資源」、「⑰実施手段」と密接に関連するとともに、他の目標とも間接的に関連している。したがって、当学部の目標とSDGsの目指すところは同様であり、このため学部の英語名称は「School of Sustainable Design」としている。

 当学部ではこれらの目標を達成するため、既設学部の関連学科を地球システム科学科と材料デザイン工学科として招集するとともに、実社会の効果的な開発を目指す都市・交通デザイン学科を新設し新たな実験実習棟を建設した。これは、既設学科の基礎的研究の実験設備に加え、これら基礎研究の実社会への応用という観点、実社会に実在する課題解決に根ざした教育・研究を行う観点で不可欠と考えたためである。

実社会の効果的な開発への取組み

演習室A

 新たに建設した実験実習棟は、1階が都市の安全・安心に直結するハード系の実験室、構造力学実験室、水理学実験室、地盤工学実験室、コンクリート工学実験室を有し、2階には自然環境と共生した、さらには地方創生を下支えする快適な都市を目指し、都市景観や交通システムなどを研究するための、学生が模型を作成しながら授業やゼミを行える演習室で構成されている。

 例えば自然災害を対象とした場合、災害は誘因(雨が降る、地震が起きるなど)と素因(どの構造物が被害を受けるなど)により発生するが、地球システム科学科で行う誘因の研究に対し、素因を1階の実験室で研究し必要に応じて効果的な対策を検討するなど、誘因と素因の両面から学生は自然災害を修得・研究することができる。また、効果的なハード対策には新たな材料の開発も望まれるが、材料デザイン工学科が開発した材料について、それを実構造物の部材へ用いる際の変形性能や強度なども新たな実験設備を用いることで学生は確認することができ、基礎研究の実社会への適用性という観点から教育・研究することができる。さらには、災害対策として効果は大きいが高価な対策、効果は劣っても安価な対策、既存技術を活用した対応などについて実験的に効果を確認できるとともに、これらを適切に配置したリスクの最適化から、限られた対策投資による有効な対応について教育・研究することができる。

 一方2階の演習室では、快適な都市の実現という観点で自然環境と共生した都市景観、データサイエンスも活用した賑わいの創出、交通システムや観光の増進、さらには安全・安心に対するソフト対策の観点でも、学生は模型を作成しながらの教育・研究に望むことができる。

  以上より都市デザイン学部では、新設した実験実習棟を最大限有効に活用し、現実社会における都市や地域の創生と持続的発展を通じ、人間社会と自然環境とが共生する理想的な社会の実現、しいてはSDGs達成に、多様性のある「人材」を輩出したいと考えている。

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