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まだ知られていない厳冬期の絶景を求めて

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次世代のCT(Computed Tomography)計測・検査装置

2018年4月26日徳島大学 社会産業理工学研究部
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工学ホットニュース

 医療分野にて体内の状態を調べるCT(Computed Tomography)技術が、次世代の計測・検査機器として各方面で活用されきていいます。医療のみでなく、工学分野や考古学、検査などで新たな技術開発が展開されています。応用例として、成田空港では、国土交通省航空局が推進する2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた先進的な航空保安検査の実現に向け、日本国内で初めてCT型機内持込手荷物X線検査装置を試験的に設置し、実際の運用における実証実験が実施されています。

地球環境保全やエネルギー有効利用に向け、CT半導体レーザ吸収法の実用化を推進しています

 地球温暖化、化石燃料の枯渇、環境汚染などへの対策が必要となっていることは人類の共通認識であり、福島原子力発電所の事故以降、様々な分野で地球環境保全やエネルギー有効利用を達成することが急務な課題となっています。このような背景から、自動車や火力発電プラント等のように燃焼現象を応用する機器などにおいて、燃焼構造やその過渡的な振舞いをよりいっそう詳しく解明して、地球環境保全やエネルギーの有効利用に繋げる必要があります。このニーズに対応するためには、現象をより詳細に観察することが必要となりますが、そのためには観察に必要な“先端技術の目”を開発することが重要となります。この中でも、温度分布や成分分布は重要なパラメータであり、これらを可視化して2次元、3次元的に“見る”ことが求められます。徳島大学では、この“先端技術の目”を具体的に実現するため、光通信などに使用されている半導体レーザと医療分野で活用されているCT(Computed Tomography)の技術を融合させた新しい“先端技術の目:CT半導体レーザ吸収法”を開発してきました。この技術は、リアルタイム(数十KHz、1秒間に数万回)で温度、濃度の2次元・3次元分布を“見る”ことができる画期的なものです。

CT半導体レーザ吸収法の取り組み

 CT半導体レーザ吸収法は燃焼場、反応場および流れ場の2次元時系列温度および濃度計測が可能な画期的な計測技術です。半導体レーザ吸収法にCT(Computed Tomography:画像再構成法)を組み合わせることにより、エンジン筒内・エンジン排ガス、バーナー、ボイラ、ガスタービンなどの2次元・3次元温度・濃度を時系列で計測します。徳島大学では、本技術の実用化を加速するため、CT半導体レーザ吸収法コンソーシアムを結成し、実用化に向けた活動を平成26年度にスタートしました。本コンソーシアムは、自動車会社、重工業メーカ、レーザメーカ、計測機器メーカ、研究機関などによって構成されており、エンジン、ガスタービン、ボイラ、化学反応機器などの高度化に活用を進めています。また、徳島大学-西安交通大学(中国)間で国際共同研究室「Laboratory on Advanced Laser Measurement Technology for Industrial Applications」を平成29年10月に設置するとともに、本技術の社会実装を目的とした徳島大学発ベンチャー企業「Smart Laser & Plasma System」を平成30年2月に設立し、国内外への本技術の実用化を推進しています。

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