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リチウムイオン電池

リチウムイオン電池は、正極にリチウム金属酸化物、負極に炭素を用いた電池で、充電して繰り返し使用できるため、携帯電話やノートパソコンなどの移動用IT機器のバッテリーとして広く使用されています。リチウムイオン電池は他の電池と比較して、小型で大容量のものを作ることができるため、電気自動車のバッテリーしての利用が期待されています。安全面、コスト面、容量など、何を重要視するかによって正極のリチウム金属酸化物を適切に選ぶ必要があります。 より安全・安価・大容量な電池を開発するため「応用化学」「材料工学」の分野で新素材の開発が進められています。

タッチパネル、指紋認証

タッチパネルは、ディスプレイ上に表示するとともに指で触れることにより入力できる2つの機能を有しており、ATMや携帯電話に使われています。指でディスプレイに触れたときの電気抵抗や静電容量など電気的な変化や圧力の変化を利用してタッチした位置を検出します。指紋認証は、読み取った指紋や静脈とあらかじめ記憶させた指紋や静脈の特徴とを照合して本人確認をするシステムです。これらのシステムの開発には、「電気電子工学」、「電磁気学」、「情報工学」などが不可欠です。最近では、タッチパネルで指紋認証をできるように研究が進められています。

東京スカイツリー

比較的低い東京タワーから送信されている関東エリアのテレビの電波は、高層ビルの増加に伴い電波障害が広がって きました。それを軽減するためにより高い塔が計画され、2008年に建設が始まり、完成後は地デジ用の電波(UHF波)を送信する事になっていま す。塔の高さは634mと自立式の電波塔としては世界一の高さで、日本の建築技術の粋を集めて2011年中に竣工する予定となっています。

ハヤブサ(人工衛星)

ハヤブサは、太陽系の小惑星から土壌などのサンプルを採取して地球に持ち帰るサンプルリターン技術確立をめざして、日本が独自に開発した人工衛星です。地球近くの軌道を公転しているイトカワという小惑星を対象として、日本が世界に先駆けて無人サンプルリターンに挑戦しました。ハヤブサは、2003年に地球を出発し、燃焼効率の高いロケットエンジンであるイオンエンジンや自分で判断しながらの自律航法などの工学技術を駆使して航行を続け、イトカワとランデブーの後、サンプルを採集して2010年に地球に帰ってきました。惑星探査や宇宙開発に必要となる工学技術を実証すると同時に宇宙への夢を与えるプロジェクトといえます。

炭素繊維

炭素繊維は、文字通り炭素からなる繊維です。アクリル繊維またはピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)を原料に、何度も高温で蒸し焼きにして余分な成分を取り除き炭化して作った繊維です。「鉄よりも強く、アルミよりも軽い」と言われる様に非常に軽量で、強度と弾性が高いのが特徴です。その上、錆びない、熱に強い、といった特性があり、主にプラスチックとの複合材料として使用されています。このような特性を生かし、今ではゴルフクラブのカーボンシャフト、テニスラケット、航空機などに用いられています。

防護服

着用している人を守る衣服が防護服です。消防士が着る防火服、警察や軍隊で使われる防弾服や耐刃衣、放射線作業から身を守る放射線防護服、宇宙での活動に不可欠な宇宙服などがあります。用途に応じて、耐炎性・耐熱性、防水性、力学強度、密閉性・気密性、衣類内部の冷却性能など、さまざまな性能が必要です。

人工臓器

からだの臓器の機能をおぎなう装置が人工臓器です。実用化されている人工臓器には、人工腎臓(正確には血液透析器)という血液の老廃物をきれいにする装置や、血液に酸素を加えて二酸化炭素を除くことのできる人工肺という装置、機能を失った血管に代わる人工血管などがあります。

スポーツウェア

スポーツウェアでは、さまざまなスポーツに応じて必要な性能が異なってきます。競泳や陸上競技など激しい動きの伴う競技では、力学強度や伸縮性、流体抵抗が低いことが必要です。汗をうまく吸ったり通したりする機能も必要です。素材や厚み、表面加工、通気性などには競技ルールで制約がありますが、こうした機能を限界まで追求していきます。さらに衣装としてのかっこ良さも大切なポイントです。

気象衛星(ひまわり)

気象衛星(きしょうえいせい)とは、宇宙空間から気象観測を行う人工衛星のことです。高さ3万7000kmから止まった状態でお天気の観測を行うことにより、広い場所の気象状況を短時間に見てその情報を送ることができます。夜でも観測できる赤外線カメラや風や雨の量を測るためのマイクロ波散乱計(まいくろはさんらんけい)なども備えている。これを打ち上げるために、ロケットの開発技術も大切な技術なんだ。気象衛星を支える技術としては「機械工学」「宇宙工学」「電気電子工学」「情報工学」などが大切なんだ

光ファイバー

光ファイバーは石英ガラスやプラスチックを素材として作られている、光を伝えることのできる素材です。光は通常まっすぐにしか進みませんが、光ファイバーは自由に曲げることができるので、光を電線に沿うように遠くまで伝えることができます。インターネットやテレビなど、通信システムの根幹を担う、最も大切な素材と言えるでしょう。光ファイバーの材料の開発では、太さを大きくすることや、コストを低くすること、また曲げや熱に強いこと、長寿命化、といった改良によりさまざまな機器への応用も期待されています。

地震警報器

地震が発生した場合、最初にP派(初期微動)が、次にS派(主要動)が地表に到着します。一般的にP派よりS派のほうが大きく、強力であるため、地震による被害は、ほとんどがS派到達以後に発生しています。そこでP波をキャッチし、震源や規模、各地のS派到達時刻、想定される震度等を推定し、強い揺れが始まる前に知らせる予報及び警報が緊急地震速報です。緊急地震速報はテレビやラジオ、インターネットなどを通じ流れていますが、これらをつけていない時に緊急地震速報を自動的に受信し、警報を発するものが地震警報器です。鉄道部門における「ユレダスUrEDAS」もその一例です。

ガラパゴス(電子書籍端末)

紙とインクによる従来の書籍ではなく、書籍を電子化したものを再生する端末機器(コンピュータ)です。手の平に収まるサイズのものから、ノートサイズのものまであります。どんな場所でもインターネットを通じて本を読むことができ、また、一台あればインターネットから様々な本を読むことができます。さらに、電子化された書籍を読むだけでなく、映像、動画、音声を組み合わせて再生でき、表現の可能性は大きくなります。電子書籍端末の製造には、「電気電子工学」などの電子機器に関する知識や、「通信工学」などの通信に関する知識が必要です。

フェイスブック

フェースブックはコンピュータを使いお互いに情報を交換し、仲間を作るサービスのことである。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)と呼ばれています。2004年にアメリカで学生に限ってはじめられたサービスで、やがて他の人々にもサービスが提供され人気となったサービスです。実名で情報をやり取りするシステムです。2011年で5億人以上が会員になっている世界的なサービスシステムです。フェースブックを支える技術としては「情報工学」「通信工学」が大切です。

スマートフォン(携帯電話)

これまでのモバイルフォン(携帯電話)は、電話にコンピュータの機能を足したものでした。スマートフォンは、電話の 機能を持つ超小型のコンピュータといえます。Windowsパソコンと同じように、コンピュータを働らかせるソフトウエア(アンドロイドや iOS4等)があり、その環境の下で、インターネットやモバゲーやその他の色々なアプリを動かすことができます。

手術ロボット「ダ・ヴィンチ」

アメリカの会社が開発した外科手術用ロボットのことす。 立体画像(3D)画面を見ながら、がんなど100種類以上の手術をする事が出来ます。ロボットの腕の先には、小さなカメラや電気メスなどがついて、細かな手術を正確に3メートルくらい離れた場所で行う事が出来る。日本でも、様々な手術ロボットの開発が進んでいる。地球の裏側にいる医者がロボットを使って患者の手術を行う研究も進んでいる。手術ロボットを作るには「機械工学」「情報工学」「電気電子工学」「通信工学」「医療工学」「素材工学」などの先端技術が必要です。

3Dテレビ

左右の眼の位置から取った画像を同時に映して、3D眼鏡を通して左右の目でそれぞれの画像を見ることにより、実際には平面であるテレビ映像を立体的に見せることが可能になったテレビが3Dテレビです。映像を立体的に表示する方式は昔から研究が進められ、3D眼鏡を用いなくても、立体的に見えるテレビも開発されています。製品コストや色の再現性などの様々な問題を考慮した「光学」や「画像処理」などの分野の研究が、3Dテレビを製品化するための技術の要となります。

電気自動車

電池に蓄えられた電気エネルギーで回転するモーターにより走らせる自動車のことです。電池の性能が良くなければ、一度 の充電であまり長い距離を走らせる事ができません。最近の研究成果により、携帯電話などで使われているのと同じ種類の、小型で高性能なリチウム電 池が用いられるようになってきました。車の性能の向上のためには、更に高性能の電池の開発が、望まれています。

新幹線車両(ハヤテ、ツバメ)

日本で開発された時速200km以上で走行する高速鉄道を新幹線といい、線路、運行システム、新幹線車両からなります。高速で走行する新幹線車両は、安全性、高速性、快適な乗り心地を追及して研究が進められ、「のぞみ」、「はやぶさ」、「みずほ」など新しい車両が開発されています。新幹線車両の開発には、「機械工学」、「電気電子工学」、「材料工学」、「情報工学」など工学のあらゆる分野の知識が求められます。

ツイッタ―

ツイッターを一言で言えば、「今どうしてる?でつながるコミュニケーションサイト。」「Twitter」とは「さえずる、ペチャクチャしゃべる、くすくす笑う」という意味の英語(動詞)。FaceBookやmixiのようなソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のひとつで、ユーザーが今していることを「ツイート」と言われる140文字以内の文章でWEB上に投稿することにより、不特定多数の人に対して今自分がしていることを共有することができます。シンプルな構造から「ミニブログ」、「マイクロブログ」といったカテゴリーに括られ、チャット感覚で楽しむユーザーも多いようです。

海水淡水化

この分離膜はナイロンやポリエステルなどの繊維を作る技術が応用することで、水分子だけが行き来のできる特殊な分離膜が作られます。この分離膜を用いて海水から真水をつくることができます。また汚染された水をきれいに浄化することもできるので、排水の再利用などにも用いられています。水資源の枯渇は世界的な問題となっていますが、繊維のもつ機能は、このようなところにも使われているのです。

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これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。