河川の水を私達の家に届ける際に、水の浄化・消毒を行い、安全な飲み水にする装置が水浄化機です。沈殿やろ過を用いてゴミを取り除き、さらに薬品を使って水に溶け込んでいる有害な物質の除去・殺菌を行うことで、水をきれいにします。沈殿やろ過には、ものの流れ方を解明する「流体力学」が、有害物質の除去・殺菌には、フィルタや逆浸透膜の開発や物質の化学反応を解明する「物質工学」が使われています。これらの学問から生み出される技術によって、私達は安全な水を使うことができるのです。
光ファイバーは石英ガラスやプラスチックを素材として作られている、光を伝えることのできる素材です。光は通常まっすぐにしか進みませんが、光ファイバーは自由に曲げることができるので、光を電線に沿うように遠くまで伝えることができます。インターネットやテレビなど、通信システムの根幹を担う、最も大切な素材と言えるでしょう。光ファイバーの材料の開発では、太さを大きくすることや、コストを低くすること、また曲げや熱に強いこと、長寿命化、といった改良によりさまざまな機器への応用も期待されています。
リチウムイオン電池は、正極にリチウム金属酸化物、負極に炭素を用いた電池で、充電して繰り返し使用できるため、携帯電話やノートパソコンなどの移動用IT機器のバッテリーとして広く使用されています。リチウムイオン電池は他の電池と比較して、小型で大容量のものを作ることができるため、電気自動車のバッテリーしての利用が期待されています。安全面、コスト面、容量など、何を重要視するかによって正極のリチウム金属酸化物を適切に選ぶ必要があります。 より安全・安価・大容量な電池を開発するため「応用化学」「材料工学」の分野で新素材の開発が進められています。
紙とインクによる従来の書籍ではなく、書籍を電子化したものを再生する端末機器(コンピュータ)です。手の平に収まるサイズのものから、ノートサイズのものまであります。どんな場所でもインターネットを通じて本を読むことができ、また、一台あればインターネットから様々な本を読むことができます。さらに、電子化された書籍を読むだけでなく、映像、動画、音声を組み合わせて再生でき、表現の可能性は大きくなります。電子書籍端末の製造には、「電気電子工学」などの電子機器に関する知識や、「通信工学」などの通信に関する知識が必要です。
着用している人を守る衣服が防護服です。消防士が着る防火服、警察や軍隊で使われる防弾服や耐刃衣、放射線作業から身を守る放射線防護服、宇宙での活動に不可欠な宇宙服などがあります。用途に応じて、耐炎性・耐熱性、防水性、力学強度、密閉性・気密性、衣類内部の冷却性能など、さまざまな性能が必要です。
炭素繊維は、文字通り炭素からなる繊維です。アクリル繊維またはピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)を原料に、何度も高温で蒸し焼きにして余分な成分を取り除き炭化して作った繊維です。「鉄よりも強く、アルミよりも軽い」と言われる様に非常に軽量で、強度と弾性が高いのが特徴です。その上、錆びない、熱に強い、といった特性があり、主にプラスチックとの複合材料として使用されています。このような特性を生かし、今ではゴルフクラブのカーボンシャフト、テニスラケット、航空機などに用いられています。
ロボットとは、人の代わりになんらかの作業を行う装置や、人や動物のような働きをする機械のことで、産業用ロボットからASIMO(本田技研工業)のような人型ロボットまでいろいろなタイプのものが開発されています。より高性能なロボットの開発には、ボディとなる軽くて丈夫な新素材の開発や、外部の情報をキャッチし認識・知覚する人工知能の開発、駆動システムなどの制御方法の開発など「材料工学」「情報工学」「機械工学」「電気電子工学」など多岐にわたる分野での最新の研究成果が必要になります。
通常のプラスチックは生物は分解することができませんが、微生物の分解をうけることのできる特殊なプラスチック素材が生分解性繊維です。自然環境中におかれても、やがては分解され自然に還るという性質を持つので、生ごみ用のゴミ袋や、農芸・園芸材料などに使われています。体内に埋め込まれた場合も分解されるので、手術用の縫合糸や、患部の保護シートなどにも利用されています。
日本で開発された時速200km以上で走行する高速鉄道を新幹線といい、線路、運行システム、新幹線車両からなります。高速で走行する新幹線車両は、安全性、高速性、快適な乗り心地を追及して研究が進められ、「のぞみ」、「はやぶさ」、「みずほ」など新しい車両が開発されています。新幹線車両の開発には、「機械工学」、「電気電子工学」、「材料工学」、「情報工学」など工学のあらゆる分野の知識が求められます。
これまでのモバイルフォン(携帯電話)は、電話にコンピュータの機能を足したものでした。スマートフォンは、電話の 機能を持つ超小型のコンピュータといえます。Windowsパソコンと同じように、コンピュータを働らかせるソフトウエア(アンドロイドや iOS4等)があり、その環境の下で、インターネットやモバゲーやその他の色々なアプリを動かすことができます。
電池に蓄えられた電気エネルギーで回転するモーターにより走らせる自動車のことです。電池の性能が良くなければ、一度 の充電であまり長い距離を走らせる事ができません。最近の研究成果により、携帯電話などで使われているのと同じ種類の、小型で高性能なリチウム電 池が用いられるようになってきました。車の性能の向上のためには、更に高性能の電池の開発が、望まれています。
タッチパネルは、ディスプレイ上に表示するとともに指で触れることにより入力できる2つの機能を有しており、ATMや携帯電話に使われています。指でディスプレイに触れたときの電気抵抗や静電容量など電気的な変化や圧力の変化を利用してタッチした位置を検出します。指紋認証は、読み取った指紋や静脈とあらかじめ記憶させた指紋や静脈の特徴とを照合して本人確認をするシステムです。これらのシステムの開発には、「電気電子工学」、「電磁気学」、「情報工学」などが不可欠です。最近では、タッチパネルで指紋認証をできるように研究が進められています。
空気には小さなホコリ、ダニの死骸、杉や檜の花粉等、体の中に入ると健康を害する物質(アレルゲン)がたくさん含まれています。これ らの汚染物質は、空気の流れを興し、フィルターを通過させることにより取り除くことができます。 空気清浄機とは、この働きをする装置です。産業用 のクリーンルームを作る空気清浄機は、1立方フィートの空気中に含まれる粒径0.5μm以上の塵埃を1個以下にすることができます。
深海探査船としては、独立行政法人海洋研究開発機構が開発した地球深部探査船「ちきゅう」がよく知られています。この探査船は水深2500メートルの深海域で7000メートルまで掘削し、地下奥深くにある原始地球に類似した環境で、原始的な地下生命を探索したり、岩石のサンプルを収拾して分析したりすることができます。探査船の開発には、地質学、流体力学、化学などを組み合わせた掘削技術や探索情報の通信技術など「機械工学」「電気電子工学」「情報工学」等様々な工学分野の研究が必要になります。
気象衛星(きしょうえいせい)とは、宇宙空間から気象観測を行う人工衛星のことです。高さ3万7000kmから止まった状態でお天気の観測を行うことにより、広い場所の気象状況を短時間に見てその情報を送ることができます。夜でも観測できる赤外線カメラや風や雨の量を測るためのマイクロ波散乱計(まいくろはさんらんけい)なども備えている。これを打ち上げるために、ロケットの開発技術も大切な技術なんだ。気象衛星を支える技術としては「機械工学」「宇宙工学」「電気電子工学」「情報工学」などが大切なんだ
サプリメントとは、ダイエタリー・サプリメントの略で、 日本では食品に分類され、健康補助食品もしくは一般的に健康食品と呼ばれるものを指します。現代人の生活習慣の変化に伴い、日常の食事で不足しがちな栄養素を補うものとして、ビタミン類、ミネラル類など多くのサプリメントが販売されています。天然成分を抽出・凝縮したものは比較的高価ですが、化学合成や発酵により安価かつ大量に供給されています(天然成分の方が効果がでやすという説もあります)。ここでは、化学工学、発酵工学、機械工学などの技術が活用されています。
ハヤブサは、太陽系の小惑星から土壌などのサンプルを採取して地球に持ち帰るサンプルリターン技術確立をめざして、日本が独自に開発した人工衛星です。地球近くの軌道を公転しているイトカワという小惑星を対象として、日本が世界に先駆けて無人サンプルリターンに挑戦しました。ハヤブサは、2003年に地球を出発し、燃焼効率の高いロケットエンジンであるイオンエンジンや自分で判断しながらの自律航法などの工学技術を駆使して航行を続け、イトカワとランデブーの後、サンプルを採集して2010年に地球に帰ってきました。惑星探査や宇宙開発に必要となる工学技術を実証すると同時に宇宙への夢を与えるプロジェクトといえます。
ゲーム機は、ゲームを楽しむための機械の事です。ゲームを楽しむには、ゲーム機だけでは出来ません。ソフトウェアという機械を動かす命令を書いた指令書が必要なのです。最近では、ゲームセンターの大きなゲーム機を使わなくても、身近なコンピュータ、携帯、スマートフォンなどでも楽しむ事が出来ます。ソフトウェアもお店で買わなくても、通信を利用して手に入れたり、買った時から機械に内蔵しているものも沢山あります。脳のトレーニングなどに役立つゲーム、人を癒してくれるゲームも開発されています。ゲーム機を作るには「機械工学」「電気電子工学」「情報工学」「デザイン工学」などの最新技術が必要です。
フェースブックはコンピュータを使いお互いに情報を交換し、仲間を作るサービスのことである。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)と呼ばれています。2004年にアメリカで学生に限ってはじめられたサービスで、やがて他の人々にもサービスが提供され人気となったサービスです。実名で情報をやり取りするシステムです。2011年で5億人以上が会員になっている世界的なサービスシステムです。フェースブックを支える技術としては「情報工学」「通信工学」が大切です。
太陽電池は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する装置で、電池交換や給電線がいらないため、利便性やコスト削面で他の電池をリードしています。この光から電気への変換は、主に電池を構成している半導体と電子の働きによります。より効率的な電池の開発には、半導体や有機色素など「材料工学」「応用化学」に関する深い知識と研究が必要です。近年求められている低炭素社会を実現するためにも、太陽電池の需要は今後益々高まるでしょう。
| 私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |