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生レポート!卒業生の声

大学での経験は社会人でのステータスになる

2022年1月7日
国立大学法人山梨大学/工学部
メカトロニクス工学科/メカトロニクス工学コース
情報通信系会社 H.T.

 私は、山梨大学工学部を卒業後、同大学院修士課程に進学し、修了しました。現在は、大手電気系メーカーで、画像認識の人工知能(AI)に関する研究開発業務に携わっています。社会人になってから、学生時代に大変だったこと、楽しいかったことを頻繁に思い出します。今ではどれも良い思い出です。

 私は高校生の頃まで、特にやりたいことがなく、数学や物理が得意だったことから工学部に進学することを決めました。工学部を選択した理由は、就職に有利な学部だったからです。また、情報メカトロニクス工学科(現在はメカトロニクス工学科に改名)を選択した理由は、ロボットに関する機械・電気・情報の3分野を横断的に学べたからです。やりたいことが見つかっていない私にとって、ピッタリなところだと思いました。

 大学に入学してからは、3分野について一生懸命学びましたが、機械と電気分野にあまり興味が持てず、情報分野にしか興味が持てませんでした。情報分野の授業はいつも楽しく受講することができましたが、機械と電気分野の授業は嫌々受講していました。私は、機械と電気などのハードウェアに関連した内容よりも、ソフトウェアに関連した情報分野が好きだと気づくことができました。ただ、振り返ると様々な分野を学んだからこそ、工学的に幅広い知見が得られることができ、現在の業務でその経験がとても役立っていると実感しております。例を挙げると、業務でお客様の現場に画像認識AIの導入するときに、画像認識AIはソフトウェアの性能だけでは製品としての性能を十分に引き出すことができませんが、カメラなどハードウェアの調整や外的環境を工夫することで、製品としての最適な性能を得ることができます。これも、大学のライントレースロボットを作製する授業での経験がとても役に立っています。ロボットは、ソフトウェアとハードウェアの両方でその性能を最大限に引き出さなければ、ロボットとしての最適な性能を得ることができません。3分野を横断的に学んだからこそ、ハードウェアとソフトウェアの両方が大切であることを理解することができたのです。

 また、大学の研究室では音声認識に関する研究開発に取り組みました。論文調査やプログラミングなど、地道な作業が多く大変でしたが、この研究開発を通して考え抜いたアイディアを形にし、成果を出す喜びと楽しさを知ることができました。

 社会人になってから、大学時代に学んだ知識を直接活かせる場面は少ないと思います。しかし、大学での経験は、社会人として、技術者として、人間としての糧になっています。辛いときや大変なときがたくさんあると思いますが、その経験は必ず、社会人生活を送るうえでのステータスになります。今は、思う存分、大学生活を楽しんでください。

 皆さんが、大学で有意義な時間を過ごされることを祈っています。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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