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まだ知られていない厳冬期の絶景を求めて

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人工神経網
~モビリティ社会の情報の流れを作り
そして制御するハードとソフトの融合技術~

2021年3月19日名古屋工業大学 工学部
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工学ホットニュース

 熱いものに手で触れてしまった時、人間は考える間もなく瞬時に「手を離せ」との指示を脳から筋肉に出すことでダメージを最小限に止める本能を持っています。もちろん普段は視覚・聴覚・臭覚を使って身に迫る危険要因に注意を払ってこのような事態になることを予防する本能も持ち合わせていることは知っていますよね。極めて優れたセンサーと脳、そして神経網を持っているのが人間です。センサーに関しては、高感度カメラやレーダーなど、すでに人間の能力を超えたデバイスが実用化されていますが、人工的な能や神経網は実現出来るでしょうか。

 自動車やロボットの先進研究では完全自動運転の実現のために「人工知能」と「人工神経網」が必須となるため、世界の多くの機関がこの研究課題に取り組んでいます。名古屋工業大学ではこの「人工神経網」に注力した研究を実施するために未来通信研究センターを2021年1月に開設し活動を始めました。

自動運転車の人工神経網

 自動運転車が普及する時代においてはあらゆるものが5G(あるいは次世代の6G)で繋がるとされています。自動車間はもちろんのこと道路交通情報や信号機の情報、さらには店舗や工場の物流情報など多種多様です。自動車間通信を例にとると、自動車内の多くの電子部品を繋いだ有線通信に加え、クラウドを介して他車と繋がる無線通信があります。未来通信研究センターではこのような通信環境の中で通常時と緊急時の信号伝送を人口能の判断で自在にかつ高速に切り替えることが出来る通信の仕組みを構築するため下記の研究に取り組んでいます。

  1. 車載ネットワークの高速化
    省電力な高速通信(電気および光による有線通信、無線通信)を目指し、デバイス開発から信号のデジタル信号処理を中心としたハードウェアの研究。
  2. 通信の高信頼化
    安心・安全な通信を目指し、電磁両立性(ノイズを出さない、ノイズの影響を受けない)、サービス品質(通信遅延を生じない、データロスを起こさない)、セキュリティに関する高信頼化技術の研究。
  3. 国際標準化
    研究成果の普及を目指し、産業界と連携し国際標準化を推進します。確実に通信が行えるよう通信規格や仕様を策定し国際的な審議を経て標準化を勝ち取り国際競争力を高めます。また、規格化を行うだけでなく、規格に適合しているかどうかを評価するテストハウスも併せて活動します。

20年後に完全自動運転車は登場するか?

 2020年11月にホンダが世界で初めてレベル3の自動運転車の市販を始めたと大きく報道されました。「高速道路の渋滞時、時速50キロ以下」といった前提はあるものの運転を自動車に任せることが可能な画期的な成果です。技術開発が進み、例えば2030年にはレベル4、2040年にはレベル5の完全自動運転と進展できるでしょうか? この時代の研究開発を担うのは正に皆様のような若き将来のエンジニアです。交通事故をゼロにするだけではなくあらゆる世代の人たちに大きなメリットを出す夢のある革新技術です。世界の多くの研究者と時には連携し、時には競うことになる技術領域です。日本が世界に誇る自動車技術と通信技術の融合領域でもあり、若き皆様には興味を持って貰うだけでなく、是非、志を継いで頂けることを願っています。

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