現在、世界の最前線で、GAFA、BATH、日本企業、米国企業、欧州企業等々が、データサイエンスを用いた新しい時代を作りながら、活躍している。そのデータに関連する重要なテクノロジーであるIoT(モノのインターネット:あらゆるモノがインターネットにつながること)、AI(人口知能)、クラウド(クラウド・コンピューティング)、5G(第5世代移動通信システム)等を用いながら、人間中心のマーケティング4.0を目指して、お客様の体験価値を高め、人々が豊かな体験を重ねて行けるように、アプリやシステムを開発しながら、新しいサービスの時代を創って行っている。
商品販売型から体験提供型へ、企業競争の原理が変わってきていることで、UX(ユーザーエクスペリエンス:ユーザー体験)を高めるために、ビッグな行動データを分析し、OMO(オンラインとオフライン(店舗)を融合)の思考法で、革新的なサービス構造を生み出している。
世界の消費者行動研究の分野には、「Consumer Well-being」という分野がある。皆さんは、どのようなものを購入して、使用することにより、幸福感を感じますか? 気に入った洋服を買ってオシャレをしているときですか? 美味しいケーキショップに行って、新作のケーキを買って、友達や家族と食べているときですか? また、お友達や家族のお誕生日に、どのようなものをプレゼントして、プレゼントされた相手と、プレゼントした自分を、ワクワクさせていますか? 「Consumer Well-being」とは消費によって様々な消費者のライフを満足させる幸福感という意味で、電気通信大学Ⅰ類(情報系)経営・社会情報学プログラム椿美智子研究室では、そのことを研究する分野に、取り組んでいます。
マーケティング4.0で目指している人間中心のマーケティングとは、年齢や好みなどで消費者を分類し、今まで購入した商品の好みに類似したリコメンドを一方的に示すマーケティング2.0の世界とは異なります。各お客様が幸福感を感じている商品分野はどのようなもので、どのようなりコメントをすると、持続可能的に満足感が得られるような商品と新しく出会えるのだろうということを示せるデータ取得法、測定法、分析法を開発しています。
お母さんが、皆さんの部活での活躍を応援して、何かを購入しているときの気持ちを感じたことがありますか? インターネット購入サイトのレビューデータには、そのような気持ちが詰まっています。しかし、文章を読んで人間が感じることと同じレベルで、テキストデータからその気持ちを浮き彫りにする分析をすることは、まだむずかしいです。
しかし、現代は行うことが多すぎて、身近にある気持ちに気づきにくい時代ですが、頻繁に行われる商品の購買や、使用に誰かの気持ちが込められていて、それがデータサイエンスの研究によって、皆さんの幸福感に繋がったら、嬉しいと思いませんか?今後の展望は、コミュニケーションに基づくConsumer Well-beingを深く研究して、家族や友達の温かさを感じる持続的な豊かさを実現させることです。
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