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メタンハイドレート~脱炭素社会の実現に向けて~

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燃料液滴の動き~1/10000000秒の世界~

2021年11月4日|群馬大学 理工学部
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自動車の動力として使われるエンジン。エンジンを動かすためにはガソリンや軽油といった液体燃料を供給し、燃やす必要があります。燃料の供給にはインジェクターが用いられ、数10ミクロンの液滴で構成される霧状の噴霧としてエンジン内に噴射されます。その噴霧を構成する小さな液滴がピストンを模擬した壁面に衝突した際の挙動を観察しました。その観察からミクロの領域での液滴の衝突現象を把握することでエンジンの性能を向上させる技術の創出に貢献する研究に取り組んでいます。

図1

図2

ガソリンや軽油といった化石燃料を燃やして動力へ変換する方法としてエンジンがあります。化石燃料を使い続ければいつかはなくなります。したがって、限りある化石燃料のエネルギーを効率的に動力へ変換するためには、エンジン内で液体燃料をよく燃やすことが重要となります。それはカーボンニュートラル燃料を使うようになっても同じことが言えます。自動車用を含めてエンジンで液体燃料を効率的に燃やすために、インジェクターという燃料供給装置を用いて液体燃料を細かい液滴にし蒸発を促進させています

しかしながら、細かくした液滴が全て蒸発すればよいですが、液滴の一部は蒸発せずにピストンの壁面に衝突し付着したりします。つまり、燃えずに燃料が残ることになり、その残った燃料のエネルギーは動力として取り出せないことになります。壁面に液滴が衝突した時、全て壁面に付着する場合もあれば、一部は付着、残りは飛散したりと衝突する液滴の状況によって変わることが知られています。実際のエンジンの中では、燃焼室という非常に限られた空間を数ミクロンの大きさの燃料液滴が1秒間に数10メートルの速い速度で飛翔しているため、壁面に衝突した際の様子を知ることは容易ではありません。

そこで、図1に示す自動車用ガソリンエンジンで使われている燃料インジェクタから噴射された燃料液滴をピストンを模擬した壁面に衝突させ、その液滴の衝突挙動を1秒間に最大1000万コマで撮影できる高速度カメラと光学倍率24倍で拡大できる長距離顕微鏡を用いて観察しました。
図2は高速度拡大撮影を行った液滴の衝突挙動の動画です。光源に対向するようにカメラを配置し観察しているため、液滴が影写真として黒く写ります。数100ミクロンといった狭い領域でもミルククラウンのような飛散挙動が現れていることがわかります。
このミクロな領域での現象観察から飛散挙動がどのような物理法則で支配されるか調べることで、エンジンの性能を向上させる技術の創出に貢献する研究に取り組んでいます。

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