農業県であり、観光・リゾート地である宮崎県をより広く知って頂くために、宮崎大学工学部では現在映像技術を駆使して観光支援のための基礎研究を重ねている。その中から3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)やバーチャル技術等の映像技術による応用について紹介する。具体的には、観光スポットの素晴らしい景観の再現、3DCGで制作した貴重な生き物を通じての人々の暮らしぶりの紹介、神楽などの伝統芸能の保存や継承に向けての映像技術、3DCGによる果物など食品の描写における鮮度の検討などを取り上げる。
国見ケ丘(高千穂町)の雲海
観光スポットの再現イメージ
宮崎県の淡水魚
3DCGによる淡水魚と水中動画との合成
宮崎県の猛禽類
3DCGによる猛禽類と空撮の合成
高千穂神楽(手力雄の舞)
ARによる高千穂神楽の再現
カットフルーツ
3DCGによる果物の描写に関する基礎研究
観光地へ赴くと、ほとんどの観光客はスマートフォンやデジカメ等で写真や動画を撮影している。そこで、単に撮影した写真や動画だけでなく、ダイナミックな映像や音響で観光スポットの素晴らしい風景を体感できるようなしくみを検討している。
平成27年に宮崎県の「高千穂郷・椎葉山地域」が世界農業遺産に認定された。県内には他にも豊かで素晴らしい景観や多種多様な生態系がある。そこで、県内に生息する生き物を3DCGで表現し、そのキャラクターを通じて県内各所で暮らす人々を紹介する映像制作に取り組んでいる。
宮崎県は日本神話発祥の地として国内外に広く知られており、パワースポットとしても人気がある。この神話の世界を具現化する神楽は、五穀豊穣に感謝し、生活の安定を神々に祈るものであるが、現在では伝統芸能の一部として重要な文化にもなっている。この神楽により一層関心を持って頂くために、3DCGやバーチャル技術によって再現できるよう実践的な研究を行っている。
宮崎県は大規模な農業県として全国的に知られている。県内の農産物は農林水産全般に渡って多種多様であり、リンゴからマンゴーまで生産できる県はそう多くはないと考える。一方、最近食べ物を3DCGで表現するデジタルフードという分野がある。そこで、食べ物の鮮度に焦点を当て、3DCGによって作品をどれだけ実物に近づけられるか、特に県内で豊富に生産される果物を対象に基礎研究を行っている。
1~4についての簡単なイメージ映像を紹介する。
(動画)CGやバーチャル技術による観光支援の研究例
坂本研究室(堀将道、坪井遼、入山陽介、甲斐悠希、坂本眞人)
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