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線刻型などの立体方式

2023年11月2日|徳島大学 山本・水科研究室
mein_image図1 電子ホログラフィによる立体像 (情報通信研究機構)

透明フィルムなどにコンパスで円弧(アーク)状の細い溝(線刻)を多数描くと、立体像が見えるようになるアーク3D方式という立体方式があります。これは線刻で起こる指向性拡散を利用しており、アークの半径や位置を考慮することで様々な立体像を表示できます。手軽に立体像を表示できるというメリットがある一方で、視点が設計した場所から離れるほど立体像が歪んで見えてしまうことが知られておりました。アークではない線刻にすることで、立体像の歪を大幅に低減できることがわかりました。

図2 アーク3D方式による立体像

図2 アーク3D方式による立体像

1.究極の立体方式

 立体方式には、普段見ている光景と全く同じ光景を再現することを目指した方式や、今すぐに使える技術を使って立体を表示するための方式、空中に何かが浮かんでいるような表示方式など、色々なものがあります。前者の一つが電子ホログラフィで、本物に忠実に光を再生しようという方式になります。図1は、情報通信研究機構において電子ホログラフィにより実現された視域角15度、対角4cmのカラー動画表示の様子です。左側に地球、右側に月を表示してますが、奥行が違うためにピントが合ってない月はボケてます。

2.映画館でお馴染みのステレオ方式

 ステレオ方式は、特定の位置にいる人の右眼と左眼で見られる光のみを色々な方向に出す方式です。映画館では、専用メガネを掛けたうえで、偏光や時分割を使うことによって右眼用映像を右眼に、左眼用映像を左眼に見せております。パララックスバリアやレンチキュラーレンズを用いることで、専用メガネがなくても同様のことができることも良く知られてます。今すぐに比較的安価に実現できる方式です。

3.線刻型立体方式

 透明フィルムなどに細い溝(ここでは線刻と呼ぶ)を描くと、線刻において指向性拡散が起こります。この指向性拡散を使うことで立体を表示する方法が線刻型立体方式です。線刻として円弧(アーク)を使う手法は良く知られており、アーク3D方式と呼ばれております。アーク1本で輝点を1つまたは2つ空中に表示できる方法で、多数のアークを描くことで輝点群を空中に表示し、輝点群によって立体像を表示します。コンパスと透明フィルム、懐中電灯があれば図2のような立体像を作れます。 アーク1本1本の代わりに、細分化された複数の線刻を用いることで、空中に表示する輝点の位置を正確にコントロールできることが分かりました。これにより、線刻の製造方法が課題ではあるものの、立体像の歪を大幅に低減できるようになりました。この技術を応用して、左側に立って見るとリンゴ、右側に立って見るとバナナが見える不思議な立体像を表示することもできます。

4.新しい立体方式

 いくつかの立体方式を簡単に紹介しました。これらは既に知られている方式ですが、まだ発見されてない方式があるはずです。そしてその方式は、立体映像は人が見るものなので、人の知覚特性をうまく満たす(または、うまくごまかす)ものであることは間違いありません。 新しい方式によっては、皆さんの生活をより楽しいものにできるばかりではなく、医療現場などで使うことで切実な問題の解決にも貢献できます。

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