私は茨城大学工学部物質科学工学科を卒業後、同大学院理工学研究科量子線科学専攻を修了し、現在は電機メーカーで働いています。今回は、大学の工学部で学べる事とそれが社会に出てどう活かせるのかについて伝えたいと思います。
学部時代、私は化学気相成長法による銅(Cu)の選択成長の研究に取り組みました。大学院では、その技術の実用化に向けた研究を続けました。このテーマは研究室の教授が提案した完全オリジナルのものだったため参考にできる論文や文献がほとんどなく、地道に実験と検証を繰り返す必要がありました。裏を返せば、世界で唯一この方法を研究している研究室であり、起きている現象を誰よりも早く観察できるという貴重な経験であり、私にとって何よりも魅力的なことでした。
また、工学部の研究は多くが社会実装を目指した応用研究です。私の研究も集積回路の配線工程への応用を目指しており、企業との共同研究であったためエンジニアとしての視点を磨くことができる貴重な時間だったと思います。学会発表も何度か経験させていただき、ヨーロッパでの発表まで経験させていただきました。振り返ってみると非常に充実した学生生活だったと感じます。
学生時代に培った知識や経験を活かしたいと思い、半導体製造装置の製造・販売を行う会社に就職しました。今は特許出願に向けてアイデアを練りながら日々業務をこなしています。特許を出すことはエンジニアにとって、またモノづくりをする企業にとって未来への投資という意味をもち非常に重要な仕事の一つです。そういったアイデアを絞り出せるのも学生時代の経験があってこそのものだと思います。
どこで、どのように学ぶかは皆さん次第ですが、学ぶ環境はその後の人生を大きく左右します。志を持ち夢を抱く学生の皆さんにはぜひとも”学び”、”研究”するための環境が整っている国立大学にてモノづくりについて学んでみてください!
掲載大学 学部 |
茨城大学 工学部 | 茨城大学 工学部のページへ>> |
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |