トップページ > 生レポート!大学教授の声 > 人々の生活を助け、人と共働する人工知能

生レポート!大学教授の声

人々の生活を助け、人と共働する人工知能

2021年2月8日
大分大学
理工学部共創理工学科知能情報システムコース
畑中裕司

 みなさんは普段、どのようなことを考えて過ごされていますか?私の人生経験ですが、1990年代中頃の学生時代に研究指導を受ける恩師を病で亡くしました。私は毎日、恩師と顔を合わせているにもかかわらず、恩師の体調の変化に気がつけませんでした。私は工学系の立場から人の生活の質(Quality of Life)を高められるような技術開発の仕事に関わりたいと考えるようになり、大学院で医用画像を扱う研究分野に変えました。

 現代はディープラーニングなどの技術が多くの分野に応用される時代ですが、まだまだ実現できていないことがあります。例えば、医療の診断において、事前に人工知能に学習させた疾病を高い精度で判別できるようになりましたが、未学習の疾病を判別できない、または十分な精度で判別できないことが現状です。 一方で、人間である医師は患者のさまざまな情報と自身の経験を組み合わせて患者の状態を考えるため、多くの疾病を診断できます。別の例として、コンピュータは膨大な文書データから特定単語を瞬時に検索できますが、人間はすぐには検索できません。人工知能と人間の長所・短所は異なりますから、両者の共働によって早くて高精度な処理を実現できるでしょう。

 私は医療支援のために医用画像から病気を判別する人工知能開発に取り組んでいます。また、近年はバーチャルリアリティを用いた運動やリハビリ支援の研究、人の好みを考慮した部屋の自動レイアウト設計の研究など、人が健康で快適に過ごせることを目指した研究にも取り組んでいます。みなさん、未来の私たちの生活を支えられるような研究者・技術者を目指してみませんか。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

関連記事

2021-03-19

輝く工学女子!(Tech ☆ Style)

自由な発想でつくりたいものをかたちにする

新潟大学工学部

2018-02-20

生レポート!大学教授の声

人の生活を豊かにする「工学」

佐賀大学理工学部

2024-02-02

生レポート!現役学生の声

成長できた4年間

熊本大学工学部

2010-08-27

生レポート!卒業生の声

エンジニアに必要な体系的な知識

九州工業大学情報工学部

2020-08-28

おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

どれが自分の身体?

埼玉大学工学部

2022-12-23

Pict-Labo

計算メガネ

山梨大学工学部

大分大学
理工学部

  • 創生工学科 機械コース
  • 創生工学科 電気電子コース
  • 創生工学科 福祉メカトロニクスコース
  • 創生工学科 建築学コース
  • 共創理工学科 数理科学コース
  • 共創理工学科 知能情報システムコース
  • 共創理工学科 自然科学コース
  • 共創理工学科 応用化学コース

学校記事一覧

生レポート!大学教授の声
バックナンバー

このサイトは、国立大学55工学系学部長会議が運営しています。
(>>会員用ページ)
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。
これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。