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「大空を自由に飛んでみたい」という人類の夢をかなえるにはたくさんの工夫や発明が必要でした。ここでは、翼の構造ならびに飛行機を軽くする工夫であるハニカム構造、航空機材料の例としてチタン合金、CFRPについてみてみましょう。
飛行機の主翼は、スパーと呼ばれる桁、リブと呼ばれる小骨、外板、ストリンガーと呼ばれる外板の補強材からなっており、中は空洞で燃料タンクになっています。材料には、従来の商用航空機では主にアルミニウム合金が、軍用機や最新の商用航空機ではCFRPが使われています。
ハニカム構造とは「蜂の巣」状の形をした構造です。とても軽いのですが、そのままでは簡単につぶれてしまいます。そこで、ハニカム構造の上下に薄板を接着して「ハニカムサンドイッチ構造」にしてやると、軽いにもかかわらず変形しにくい構造ができあがります。ハニカム構造の材質にはアルミニウム合金やアラミドペーパーがつかわれます。航空機では、フラップや尾翼などにハニカムサンドイッチ構造が使われています。
チタンにアルミニウムなどの金属を合金化したチタン合金が航空機のエンジンやボルトに用いられています。鉄鋼の約60%の密度でありながら、鉄鋼を超える強さをもつ材料です。従来の商用航空機の胴体・翼に使われているアルミニウム合金よりも強度、耐熱性、耐食性に優れています。
CFRPとは、炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics)の略語であり、軽くて強くてしなやかな炭素繊維をプラスチックでかためた、金属よりも軽く、金属よりも強い性質をもつ新素材です。最新の商用航空機では、機体重量の50%以上にCFRPを中心とした複合材料が使われています。
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