乗用車をはじめとする最近の多くの自動車は、自動的にギアを切り替えて変速するオートマチックトランスミッション(自動変速機)を備えています。代表的なオートマチック車は、トルクコンバータと遊星歯車とを組み合わせたトルクコンバータ式自動変速機構を備えています。また、湿式多板クラッチと遊星歯車を組み合わせた方式や、歯車を用いずに無段階の変速を行なう連続可変トランスミッション(CVT)などもあります。
通常の自動車は、前あるいは後ろの二輪をエンジンで駆動していますが、四輪駆動(Four-wheel Drive:4WD)車では、四輪全部にエンジンの駆動力が伝えられます。それによって、雪道や泥道、さらには滑りやすい道などを安全に走行することができます。
通常は二輪で走行し必要なときに四輪で駆動するパートタイム、スタンバイ4WDや、常に四輪を駆動するフルタイム4WDなどが実用されています。
ABS(Antilock Braking System)は、急ブレーキを踏んで車輪がロックして車が滑り出しコントロールできないときに、車輪の回転状態をセンサーで検知してブレーキを自動的にコントロールするシステムです。これによって、確かなブレーキとハンドル操作を可能にし、緊急時の衝突回避や滑りやすい路面での安全走行が実現されます。
最近のエンジンでは、エネルギー効率や運転性能の向上、排気ガスの浄化のために、エンジンコントロールユニット(Engine Control Unit:ECU)と呼ばれる電子制御装置が、燃料供給、点火、バルブ機構、吸排気、始動などをコントロールしています。例えば、従来の気化器(キャブレター)に代わる燃料噴射装置(フュエルインジェクター)を電子的に制御して空燃比を調整することで、エンジン効率の向上と排ガスの浄化を達成しており、自動車メーカーごとにEFI、EGIなど様々な形式や呼び方があります。
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |