北極に行ってみたい! |
『北極に行ってみたい!』私が北極海の研究に関わっているのは、その想いからでした。テレビで北極海の海氷減少の特集をやっていて、『海氷は本当に減っているの?』という疑問と『ホッキョククマが実際に歩いている姿を見てみたい!』という興味からでした。
北極や南極と聞くと遠い世界のような気がすると思いますが、今では手の届かない世界ではなくなっています。現在の北極は航路利用や資源開発等で注目が集まっています。そのため、北極研究の需要が高まり、以前に比べて学生が現地観測に参加して活躍する機会が増えています。南極でも同様で、極地研究に携わる大学・研究機関から積極的に学生が派遣されています。私の所属する北見工業大学は極地研究が盛んで、北極、南極へ毎年のように教員、学生を送り出しています。北海道東部に位置する北見市は冬季に流氷がやってくるオホーツク海と全面結氷するサロマ湖に隣接し、日本にいながら実際の海氷を研究できるすばらしい環境にあります。
現在、私は北極海の海氷を衛星、現場観測を通じて北極海航路の利用可能性について調査しています。北極海のような氷海では観測に砕氷船を使います。日本では、南極には砕氷船『しらせ』を利用して観測に向かっていますが、北極海に行く砕氷船を持っていませんので、外国の砕氷船に乗って観測をしています。私はこれまでに2度の北極海航海を経験しました。1度目の航海では、不慣れな船での生活でしたが、日本の研究者はもちろんのこと、海外の研究者も日常生活、観測等、多方面で助けてくれました。2度目の航海では、1度目の航海でのメンバーに再会することがとても楽しみでしたし、相手もとても喜んでくれました。
航海に出ると、周りには人工の物はありません。あるのは、大自然だけです。最初の航海では初めて見る北極海の海氷の美しさに感動し、2度目の航海では、巨大な氷河やクジラの群れが迎え入れてくれました。中でもホッキョククマは船のすぐ下まで近づき、『立つ』というパフォーマンスまでしてくれました。北極は壮大な風景や野生動物という日本にいては出会えない、壮大な自然に直に触れられる場所です。 今の高校生は、何がやりたいかなんてわからない人も多いのではないでしょうか。私もそうでした。しかし、そういう人でも、『ここに行きたい!』という願望を持っている人はいるはず。それだけでも、十分な動機です。そこに行くためにはどうすれば良いかなどの基準から学校や学部を決めるのも良いのではないでしょうか。
掲載大学 学部 |
北見工業大学 工学部 | 北見工業大学 工学部のページへ>> |
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |