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生レポート!卒業生の声

 

未来の研究者・技術者の皆さんへ

 
2010年4月19日
岩手大学 工学部 卒業
精密部品加工メーカー勤務
M. K.

未来の研究者・技術者の皆さんへ

バンクーバー五輪で「歴史に残る名勝負」を演じたフィギュアスケートの浅田真央・キム・ヨナ選手は、皆さんと年齢も近い19歳です。両選手ともお互いをライバルとして切磋琢磨し、自分を磨く努力を重ねられたのでしょう。失敗した時はとかく他人や環境のせいにしがちです。何事も「上には上がある」この謙虚な気持ちがなければ、それ以上成長する事はないと思います。

ところで、皆さんは、「常に挑戦する心を持っていますか?壁にぶつかった時、相談する仲間はいますか?」。私は工学研究科応用分子化学専攻を修了し、電気化学をベースにステンレス鋼の腐食に関する研究をしていました。修了後は、民間の精密部品加工メーカーに入社し、「固体高分子膜形燃料電池用ステンレス鋼セパレータの適用性」というテーマで固体高分子膜形燃料電池用ステンレス鋼セパレータの研究・開発を行っております。

この仕事の中で私は、産学協同研究員として、大学の研究室に常駐し、実験に使用する材料・試作の手配、電気化学測定によるステンレス鋼セパレータの耐食性評価、ステンレス鋼に導電性を付与するための表面処理、試作したセパレータを組み込んだセルの発電試験、発電試験後のセパレータ表面の分析などを行っております。この中で得られた学術的な内容については学会発表や論文発表を行っており、新規技術については特許を出願することにより、研究成果を報告しております。学生時代とは違い、企業に籍を置いての研究は、苦労と困難の連続ですが、恩師、諸先輩方、研究室の学生達に協力してもらって乗り越えることができました。

そんな中、私は昨年の3月、論文提出により学位を取得することが出来ました。恩師からは「企業に籍を置く博士としての自覚を忘れることなく、世界に渡り合える技術者として会社に貢献せよ」と助言を頂きました。学生時代は、勉強と同様に問題解決をする手順を身につけることも重要だと思います。新規製品を研究・開発するためには、さまざまな問題にぶつかると思います。そのような時には、一人で考え込むのではなく、自分なりに何が問題であるのかを明確にし、周りにいる恩師、諸先輩方、仲間達に相談してみてください。一歩踏み出す勇気が必要です。「限界と思える先」に真の解決策があるものです。きっと何か新しい道が開けるはずです。未来の研究者・技術者の皆さん・・・勉強だけに縛られることなく、楽しい学生生活を送ってください。

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