北極海や南極海、オホーツク海などで見られる海氷は、地球の気候変動に敏感に反応し、その分布や量が変化しています。この海氷の増減が大気や海洋に大きな影響を及ぼしています。
北見市に面するオホーツク海は、北半球で海氷が見られる南端に位置する海域です。そのため、オホーツク海の海氷は地球温暖化の影響を顕著に受けると考えられます。海氷は太陽放射を反射し気温上昇を抑制する役割を持つことから、海氷の量や性質を正確に把握して捉えそれらの変化を継続して監視することは、科学的にも工学的にも重要です。
特に北極圏では近年の地球温暖化により海氷面積の減少傾向が顕著です。海氷の減少が問題視される一方で、北極圏では海氷減少を利用した資源や航路の利用に多くの国が注目しています。
そこで当研究室では、毎年オホーツク海およびその海域と接続する北海道サロマ湖をテストサイトとして、地球観測衛星による水面上の氷画像の取得と、これに同期する現地検証データの取得を行っています。
サロマ湖は面積150.35km²、周囲長90.24kmの日本最大の汽水湖であり、オホーツク海と2つの湖口で接続しています。冬季には湖面が全面結氷し、外洋とほぼ同じ塩分濃度(31〜33psu)を示すことから、形成される湖氷は外洋の海氷とほぼ同じ物理特性を有しています。そのため、氷が海氷と似た構造になり、湖面は障害物のない広大な氷原へと変化します。
このような環境が極地と似ているため、冬には全国から多くの研究者が訪れ、サロマ湖は海氷に関する基礎研究や、南極地域観測隊の事前演習のフィールドとなっています。これまで、本研究室では衛星リモートセンシングを利用した氷厚推定技術の開発を目的として、サロマ湖氷上において衛星搭載マイクロ波センサによる観測と同期した現場データの取得を行ってきました。
サロマ湖の広範囲に及ぶ氷厚分布を効率的に取得するために、橇に搭載した電磁誘導式氷厚計を用いて氷厚を連続測定する手法の開発に取り組んでいます。サロマ湖の氷厚分布の特徴として、結氷初期には風下側となる東岸付近で最も早く結氷が始まり、最大の氷厚を示すこと、さらに季節の進行に伴い、河川の流入によって塩分濃度が低下する南側で最終的に最も厚い氷が形成される傾向が明らかになってきています。
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