現在、私は岩手大学理工学部数理・物理コースを卒業後、同大学院修士課程1年として、学部時代に学んだ内容をさらに深める形で研究に取り組んでいます。この「卒業生の声」には、卒業後に就職された方の体験談が多く掲載されていますが、私は在学中の立場から、このコースでの学びや現在感じていること、をお伝えできればと思います。
まず学部4年間を通して、数学と物理の両面から物事を捉える力を養うことができました。物理を学ぶ上で数学の理解は欠かせませんが、数理・物理コースでは両分野にバランスよく重点を置いたプログラムが用意されています。そのため、抽象的な理論と具体的な自然現象とのつながりを意識しながら学ぶことができたことは自分にとって大きな財産です。理工学分野における課題の発見・探究に対して、数理・物理的な視点と論理的思考で解決に向かう力が身についたと、進学した今、改めて実感しています。
現在は、希土類金属を含む新しい物質の創製とその量子力学的現象の観測を主として研究活動を行っており、日々試行錯誤を繰り返しています。はっきりとした正解のない問いに取り組む中で、学部時代に培った力を活かして、自分なりのアプローチを模索することの面白さを見いだしています。
大学生で何を大切にするかは、人それぞれだと思います。ここではあくまで一例として、私が学部時代から今に至るまで大切にしていることを紹介したいと思います。それは「当たり前のことを当たり前にする」ということです。講義は出席する、課題は出す、興味の生まれた分野やわからないことが生まれたときはすぐ調べる。こういった勉学に関することだけではなく、朝は起きる、ご飯は食べる、青信号で渡る、自転車は左側通行といった、日常生活における基本的な行動をしっかり守る。こうした「当たり前」を積み重ねていくことが、社会に出た際に恥ずかしくない大人になるための土台になると私は考えています。特に、大学進学とともに一人暮らしを始める方も多いと思います。ぜひ、「当たり前のことを当たり前にできる」人間を目指してみてください。
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