私は岩手大学理工学部の社会基盤・環境コースに所属しています。
高校生の時、まちづくりに興味のあった私は、都市分野の学問を学ぶことのできる本コースを志望し、岩手大学に入学しました。1年生の時は専門的な授業はほとんど無く、どちらかというと基礎的な物理・数学・化学や文系分野を学びます。2年生以降で社会基盤や環境系の学問について学び、特に2年生は専門分野の学修に必要な基礎的知識を学ぶ一年間となり、この一年間で私の意識も大きく変化しました。
もともと都市系の学問にしか興味のなかった私は、入学当初、他の専門分野へはそれほど関心を寄せていませんでした。しかし都市分野の授業や他の専門的な授業で学ぶにつれて、まちづくりとは街全体の社会基盤の整備や環境への配慮を前提としていることを理解しました。都市系の授業だけではそのことを理解できなかっただろうなと思います。
まちには交通の行き来があります。車や人が通るには道路を設けなければなりません。山を通るためにはがけ崩れに気を付け、時にはトンネルを掘り、川の上を渡るには橋も必要でしょう。川の流れや氾濫に耐えうる堤防を作る必要もありますし、上流からくる水を家庭に届け、家庭から排出される汚水を川や海に放出するための上下水道を整備しなければいけません。川の水や汚水、家庭ごみや廃棄物は適当な処理をするために処理施設を設け、適切な管理を行います。また各種施設を建てるためには、地盤を調べ、地震に耐えうるための構造を考え、コンクリートや鉄鋼など適した材料を使います。地質を調査し、地震時にはそのメカニズムを調べ、今後の災害への対応の検討・各種分野への還元をはかることで、災害に対する強度を更に高めることを目標にします。
これらは横でつながり、そして縦でつながり、すべてまちづくりに無くてはならないものとして、ある種の生態系のようなものが存在していると感じます。このコースでは一つの分野だけではなく、様々な分野を広く学びます。その中で自分の興味を持っている分野がどの位置づけにあるのかを強く意識することになりました。
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