私は大学院修了後に自動車メーカーへ入社し、現在4年目になります。学生時代は排気管内の流動や伝熱に関する基礎研究を行い、現在は自動車の吸排気系の性能向上や熱マネの開発に携わっています。複雑な現象を分析する際には、学生時代に培った基礎知識が大きな支えとなっています。社会人として働く中で、強く実感したことが2つあります。
学生時代には用途が見えなかった技術でも、最新技術と組み合わせることで強力なアイデアへ生まれ変わると実感しています。例えば、排ガス規制に対応した排気管形状の検討では、学生時代に学んだ流動領域の分析技術にAI技術が組み合わさることで、高度で高速な検討が可能になります。社内で新しいアイデアが議論される場でも、工学部の授業で触れた技術がよく登場します。当時は軽視していたものの、今では「なぜ流行しなかったのか」「今なら別の技術と組み合わせれないか」ともっと真剣に学んでおけばよかったと感じます。
自動車業界は変革期にあり、新しい領域に挑戦する機会が次々とやってきます。私自身、学生時代には全く触れてこなかった電池冷却の開発やAIを活用した吸排気系の開発検討に挑戦しました。刺激的で楽しい反面、知識ゼロからのスタートは決して楽ではありません。そのたびに支えとなったのが、学生時代に身につけた“学び続ける力”でした。恩師がよく「one by one」と言っていました。「なぜ?」を大切にし、忙しくても焦らず、疑問を1つずつ解消していく。そんな姿勢を教えてくださったのだと解釈しています。この姿勢は社会に出た今も私の成長の土台になっています。
社会人になると、新しい課題に向き合う場面は想像以上に増えます。その中で重要なのは、基礎知識だけではなく、「本質的な課題をどう見つけるか」「疑問をどう周囲と共有し、検証につなげるか」「どう調べ、理解を深めていくか」といった、自分なりの“学び続ける力”だと考えています。自分に合った学び方を持っていれば、どんな環境でも必ず強みになると思います。新しい発見は楽しく、自分のアイデアが自動車に採用されたり、特許につながると大きなやりがいを感じます。
工学部で学べることは本当に幅広く、多様です。学生生活を楽しみながら、自分の武器となる技術や考え方をどんどん増やしていってください。
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