トップページ > 生レポート!卒業生の声 > 大学院に進むという選択:修士・博士で広がった経験と成長

生レポート!卒業生の声

大学院に進むという選択:修士・博士で広がった経験と成長

2025年12月26日
鳥取大学 工学部
化学バイオ系学科 H.E.

 私は鳥取大学工学部化学バイオ系学科を卒業後、同大学院の博士前期課程(修士)と博士後期課程(博士)に進学し、有機合成化学の研究を行いました。現在は、博士研究員(日本学術振興会 特別研究員)として同じ研究室で働いています。大学で化学を学びたいと考えた理由は、他の理系科目よりも得意であったというシンプルな理由でした。学部生の間に様々な化学に触れるうちに、反応の仕組みを捉えたうえで新たな分子の合成ができる有機合成化学に惹かれました。そして、学部4年生より、有機合成化学の研究室を志望し、配属されました。その後、紆余曲折ありながらも、博士後期課程まで進学した私が考えるそれぞれの課程の利点を簡単に紹介いたします。

(これから大学で化学を学びたいと考える高校生のみなさんにも、進路を考えるヒントになれば幸いです。)

博士前期課程(1年半(半年短縮))

 コロナ禍の最中につき様々な制約があったものの、学部生での座学・学生実験や卒業研究ではなかなか得ることのできない経験ができました。

  1. 学部生の時以上に真剣に自分の研究に打ち込むことができた。
  2. 学会(研究発表の場)に参加することで、自身の研究を伝える機会ができた。
  3. 上級生として、後輩指導や研究室での役割を考える機会があった。

博士後期課程(3年(うち4カ月間米国留学))

 博士後期課程では、前期課程の時とは比べものにならないほどの新たな経験ができました。

  1. 博士前期課程の時以上に自由・責任を持った研究が行えた。
  2. 留学や学会を通した他の研究者との交流・つながりが大きく増した。
  3. 奨学金や日本学術振興会や研究費(自らの提案による)の申請書作成を通して、文章力が鍛え上げられた。

 ここまでは、利点ばかり挙げましたが、日々の研究活動では思ったように行かないことの方が多く、くじけそうになるときもありました。しかし、それを乗り越えたときに、できることが増えて、新しい世界が広がりました。

 最後になりますが、本記事が大学で化学を学ぶことに興味がある高校生や、将来大学院も視野に入れている人の背中を押してあげられる様なきっかけになっていると幸いです。ここまでお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

鳥取大学
工学部

  • 機械物理系学科
  • 電気情報系学科
  • 化学バイオ系学科
  • 社会システム土木系学科

学校記事一覧

生レポート!卒業生の声
バックナンバー

このサイトは、国立大学56工学系学部長会議が運営しています。
(>>会員用ページ)
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。
これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。