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輝く工学女子!(Tech ☆ Style)

【vol.124】小説世界にあこがれて

vol.124京都工芸繊維大学
大学院工芸科学研究科

博士後期課程
物質・材料化学専攻 3年
H.M.さん

2023年10月13日

 私がいま工学系の博士学生をしているのは、小説の世界に憧れたのがきっかけです。通常、学部が4年間、大学院修士課程が2年間、その後に博士課程が3年間なので、私は大学という場所に、小学校6年間よりも長くいることになります。それだけいても、研究の世界ではひよっこ(たまご?)で、学ぶことばかり。研究の世界は奥が深いですね。

 元々、理系科目が特別に好きというわけではありませんでした。小学生の時から理科は好きでしたが、国語や社会も好きでした。決断のきっかけは小説です。中学生の時に、小説にはまり、色々な本を読みました。特に、推理小説というジャンルに夢中になりました。論理を組み立て、謎を解き明かすという行為が楽しく、結果解けなくても、綺麗に解決される作品には感動しました。その中で、父の勧めで、森博嗣さんの小説に出会いました。推理小説として面白いのはもちろん、作品の中に出てくるいわゆる理系、特に工学部の人々の会話や、大学の研究室というある意味独特な場所に強く憧れました。最新作に追いつく頃には、自分もこの世界の住人になりたい、理系、それも工学部に行こうと決めていました。

 後期試験で今の大学に拾っていただき、晴れて工学部に入学できました。学部時代はレポートや課題に追われつつもとても充実していました。受験勉強と違い、時間に追われず際限なく好きなこと(専門から小説・音楽まで)を学べる楽しさ。しかし、大学の本質はそこにはありませんでした。大学は教育機関であるとともに研究機関です。学部の時は、建物内の教室を行ったり来たりしていましたが、その通り道に薄暗い廊下と部屋がある場所がいくつもありました。初めてその一角に足を踏み入れたのは4回生で研究室に配属されたときです。あぁ、ここは私が憧れた研究室なる場所だったのかと、知りました。小説のような洒落た会話がなされるわけではありませんでしたが、憧れるに足る場所だったと感じています。指導教官やメンバーにも恵まれ、博士課程になるまで研究を楽しく続けられました。「博士が100人いる村」という有名な創作童話など、博士課程への進学についてはいろいろ言われますが、あるテーマについてとことん突き詰めて考えられる研究は楽しく、私は博士まで来てよかったと感じます。大学に進学したら、大学院進学についても考えてみてください。研究機関としての大学の深部を覗けます。

message

心を燃やせるものがある場所へ、まず一歩を!

教えてなんでもアンケート

将来目指している(目指していた)職業は何ですか? 物質・材料の研究者。
工学系への進学理由は? 自分の興味を満たせそうで、かつ就職に強そうだったから。
大学を選ぶ決め手になったものは何ですか? 地元の国立大学で、化学科がある大学であること。
大学では何に力を入れて勉強(研究)していますか? 物質・材料の界面や表面で起きる現象について研究している。界面や表面、非常に小さな物質だからこそ起きる特異な反応や形成する形に興味をもっている。
入学前と、入学後、工学部のイメージの違いは? 思っていたよりも女子が多く、なじみやすかった。
男子が多くて良かったこと、困ったことは? 女性が少ない研究分野であるため、名前を覚えてもらいやすいのはよかった。食堂に女子向けのメニューが少ないこと。
理工系で就職は有利だと思いますか? 思う。周りでも就職に困った人はいない。
文系の友達・知人と違うな~と思うところは? 大学院に進学する人が多いこと。
本音で言うと、文系タイプ?理系タイプ? 考え方はthe理系タイプ。でも文学は好きでジャンル問わず読む。
ニガテ科目克服法や勉強のコツは? 網羅的で、丁寧な解説のある問題集を、何周も解くこと。
アルバイトをしていますか? 大学内でTA(ティーチング・アシスタント)をしたり、たまに学会運営のアルバイトなどをしている。
今一番興味があることは? 就職までに経済学を勉強したいと思ってる。スイーツ
お気に入りのグッズを見せてください♪ ヒョウモントカゲモドキのぬいぐるみ。爬虫類が好きで、ペットとしてヤモリを飼っている。
工学部に来て大変なことは? 学部生の時は、実験レポートや授業の課題等、提出物がたくさんあり、スケジューリングに苦労した。
工学部に来てよかった事は? 興味を追求できること。図書館にも専門書が多くあり、学ぶ意志があればいくらでも学ぶことができる。
※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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