「失敗」と書いて「将来への糧」と読む |
「皆さんは大学生である今、何を頑張って将来何になりたいですか?そして、今の勉強を頑張ればそれになることはできますか?」この質問を容易に答えることができれば誰も苦労しません。そして、学生のときの私も答えることはできませんでした。学生を終えた今だからこそ答えることができるような気がします。この質問について私なりの取り組みについてお話したいと思います。
はじめに、大学の授業とは椅子に座って黒板の内容をノートに写しテストを受けて合格すれば基本的にOKというもの。(すべてがこのような授業形態というわけではありません)それは当然のことで何の問題もありません。また、点数がよければA評価がもらえます。そして行きたい企業に推薦がもらえます。では、勉強だけをしていればいいのでしょうか?今だからこそいえますがそんなことはありません。
宇宙開発が好きな私は大学のサークル活動でハイブリッドロケットというものに出会い、ロケット製作に明け暮れました。私の代からハイブリッドロケットの開発に取り組んだこともあり、オーバーな表現ですが死ぬかと思うほど寝ずに設計・製作作業をしました。
そして打ち上げ実験当日、空高く打ち上がったロケットは成功かと思われた瞬間、パラシュートの展開に失敗し、今までの苦労が一瞬にして、ロケットの機体共々砕け散りました。その日の夜、徹夜から解放されたはずなのに宿で眠れず打ち上げに至るまでのさまざまなことを考えていました。その結果、私の中で「工学とは授業を受けるだけ(受身)では何もできない。自ら進んで動き、考えていかなければ製作したものが自分の期待するとおりに動いてくれない」という結論に達しました。この失敗は、私に「工学」とは何かを教えてくれた人生の大きな分岐点だったのかもしれません。
この失敗がきっかけで私はその後、自身の知識・経験を深めるためインターンシップで北海道の企業に行ったり、自分と同じようにロケット開発をしている他大学の人と積極的に関わりを持つようになりました。そして、そのおかげでプレゼンテーション能力もつき、就職活動ではそれほど苦労せずに第一希望の会社に入社することができました。
私のこの記事の最初の質問を私自身が答えるとしたら次のようになります。
今の勉強を頑張ることはもちろん必要です。しかし、工学という分野は頑張ったからうまくゆくものではありません。どんなに努力しても原因が究明できなければ何度やっても失敗します。また、失敗すればするほど視野がどんどん狭くなり重要なものを見逃してしまいます。そのためにも普段からたくさんの人に自分から関わったり、知識だけでなく実際に作る作業を自ら進んで実行してください。これが現時点の私の答えです。
たくさんの経験は人生を左右する分かれ目で大きな助けとなります。工学を志す皆さんは是非、授業のほかに多くの経験・実践を進んで実行してください。
その数々の経験のおかげで私は今、航空宇宙産業の分野に就職することができました!
今後、工学を目指す皆さん!是非自らの力で学生のうちに工学を経験してください。秋田大学はそんな経験をすることができる数少ない大学の1つです!
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