大学で学んだ重要なこと |
同じ会社に同じ大学の先輩もいて、
公私ともに充実した日々を送っています!
私は、大学4年生と修士課程2年間の3年間を福井大学工学研究科生命機能工学研究室に所属し、改変酵母(かいへんこうぼ)を用いた有機リン化合物検出バイオセンサの構築や環境汚染物質のバイオレメディエーションの研究に携わりました。大学院修了後は、製薬会社でジェネリック医薬品の研究開発に携わっており、会社に勤めて五年目になります。最近では、製剤開発部へ配属され付加価値型製剤の開発業務を行っております。その内容としましては初期段階の医薬品の処方設計に加えて、ラボスケールからパイロットスケール、実生産スケールへの工業化検討など医薬品が完成するまでのプロセス全般に関わる業務を行っています。
入社初期のころは大学での研究とは内容が全く異なり、右も左も分からず、言われた事を言われた通りに行っている状況でした。しかしながら、研究開発を進めていく中で気付いた事がありました。それは、大学時代とは内容は異なりますが、ある問題や疑問に対する解決策へ辿り着くためのプロセスは、大学での研究と同じだということです。大学時代は研究室の先生や、共同研究先の方よりさまざまな視点でのアプローチの仕方を学んだと思います。ある疑問に対してさまざまな仮説や予想を立て、実験を行い、その実験中の出来事や対象物の色、熱、においや触った感触などささいな現象でも見逃さないように記録する。そして、それらの内容や結果をレポートとしてまとめて報告する。これらプロセスは簡単な事のようで難しい事ですが、非常に重要なことであると、現在の研究開発を行う上で痛感しております。
大学時代は研究室内での報告会はもちろんのこと、さまざまな国内外での学会発表のチャンスがありました。その経験によって、自分の行った研究内容や仕事の進捗状況をまとめて報告する力がついたと思っております。現在では、同じ部署だけでなく他部署の方にも報告や発表する機会も増えてまいりました。しかし、上記のようなアプローチの方法を学んできたおかげで、未だ十分な経験者とは言えませんが、少しずつこなせるようになっており、大学での経験が非常に活かされていると感じております。
ある問題に対して、広い視点でさまざまな仮説を立て、実験し、その結果をまとめて報告する。自分の行った実験内容をいかに分かりやすく的確に報告するか、そのプロセスを大学で学ぶことができたと思っております。当たり前と思うことが、実は重要であることに気がつくことが多々あります。学生のみなさんも、些細な現象も見逃さず、常に五感を研ぎ澄ませて日々の研究や実験に励んでください。
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