私は、東京農工大学工学部電気電子工学科を卒業、同大学大学院の博士前期課程を修了後、現在の会社に入社しました。大学では、生体医用光学を専門とする研究室で、光を使った薬剤輸送技術に関する研究に取り組みました。
現在は、遺伝子検査技術に関する研究、装置開発に取り組んでいます。原理実証のための試作装置の製作、その性能評価のためのバイオ実験が主な業務です。入社当時はバイオ系の知識や経験が皆無だったのはもちろん、3DCADやシミュレーションソフトなど現在業務で活用しているもののほとんどは、会社に入って初めて触れたものでした。失敗して苦い思いをしながら少しずつ学ぶ日々ですが、優秀で素敵な同僚・上司に支えられている安心感のなか、私はのびやかに頑張れていると感じます。今後も、努力していきたいと思います。
これから進学・就職を考えている方へ、お伝えしたいことが2点あります。
1つ目は、自分の専門分野を大切にしてほしいということです。学生時代の専攻は会社では関係ないから云々といった話は、こと就職活動中によく耳にした記憶があります。たしかに私も、少なくともいま直接的に必要な知識や経験の多くは、入社してから得たものが多いと思います。一方で、学生時代に学んだ電気電子工学ほど体系的に学び体得できるものは卒業後にはなかなかないこと、また、在学中に受けた授業や研究室での経験が自分の思考を形づくる土台になっていることを強く感じます。大学での学びは、自分で意識する以上に自分の物事の捉え方・考え方に大きく影響を与えるものだと思います。だからこそ、興味のあることややりたいことだけにとらわれず、与えられた課題すべてに、できるだけ真摯に取り組んでほしいと思います。
2つ目は、心身ともに健康に過ごすことを常に意識してほしいということです。「健康が一番大事!どんなに優秀でも、よいアイデアがあっても、健康でなければ何も成せない」という研究室の先生の言葉を、今でも折に触れて思い出します。学生時代は、学問に限らずやりたいこともやるべきこともたくさんあり、つい体調管理や体力づくりは後回しになってしまう場面も多いように思います。しかし、頑張りたいときにしっかり頑張るためには、なによりもまず健康が大切です。自分の体調と体力を省みることを忘れずにいてください。
みなさんがよい学生生活を送れることを願っています。
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