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生レポート!大学教授の声

生き物を利用したモノづくり

2022年2月4日
東京農工大学
工学研究院生命機能科学部門
新垣 篤史
海外の学会に参加

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 身の回りにいる生物をよく眺めて見ると、美しくも興味深い体に、実に合理的な機能や構造を備えていることに気づかされます。生物は、長い進化の過程で自然にもまれる中で、現在の地球環境で最適なモノづくりのしくみを獲得してきました。生命工学は、このような生命のしくみを理解し、それを応用して私たちの暮らしに役に立つモノを生み出すことを追求する研究分野です。例えば、医薬品・機能性食品の開発、医療・診断に使う材料やデバイスの開発、生物を用いたエネルギー物質の生産などがあげられます。工学部の中では比較的新しい分野であり、理学部、医学部や農学部の研究分野とも密接に関連しますが、目指す方向が異なります。

 私は、生命工学科に所属しながら、特に生物の硬い部位に着目して材料を開発する研究を行っています。一つは、軽量で頑丈な外骨格を持つカブトムシが研究対象です。皆さんご存じのように、カブトムシの翅は蛹から出てきた時は白くて柔らかいのですが、みるみる真っ黒で硬い翅に変化します。実は白い翅も黒い翅も組成はほとんど一緒で、微量成分が加わることで、硬く、頑丈な翅ができあがります。この原理を応用して、プラスチック等に代わる新しい材料の開発に取り組んでいます。また、ある種の細菌は、人工的には作ることの出来ないとても小さな磁石を作ります。遺伝子組換え技術によって、磁石の表面に薬やセンサーとなる分子を付けることができるので、医療やバイオ計測への応用が期待されます。一方で、発見した先端科学をどのように社会実装してくかということが大きな課題でもあり、ここが工学部らしい部分です。よい材料ができたならば、応用先を見定めながら、コストに見合う製造プロセスを考え、製造による環境への影響、廃棄方法・リサイクルも考える必要があります。また、研究の成果を論文などとして発表することで、広く一般の人達に認知してもらうことも重要です。私は今、学生達と一緒に生き物を見ながら、生物の機能を有効活用することはできないかと日々考えています。生物の力で、こんなモノできたらいいなとわくわくしながら。

工学部 小金井キャンパス工学部 小金井キャンパス
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