2018年7月13日
関東地区
東京海洋大学 海洋工学部
操船システム研究室では、人間を中心とした自動操船システムの研究開発を行っています。自動システムは利用者の負担を軽減するためのものですが、使い勝手が悪ければ利用者の負担が増えてしまいます。そこで本学の練習船「汐路丸」にて、自動操船システム利用時の操船者のストレス(精神的負荷)を計測しながら自動操船システムの研究開発を進めています。例えば自動着桟システムの研究では、写真のように操船者にヘッドマウントディスプレイを装着し拡張現実(AR)にて仮想の桟橋を表示し、操船者のストレスを計測しながら自動着桟の実験を繰り返しています。自動操船により桟橋へ近づく時に、操船者が不安を抱かないような制御アルゴリズムを開発することが現在の研究目標です。なお操船者の生体情報(心拍 変動、鼻部温度変化、脳波等)からストレスを推定する方法については、神戸大学の航海システム研究室と共同で研究しています。
冷凍・空調の分野では、作動媒体やエネルギーの使用による環境負荷を低減するための技術が求められています。熱駆動型の吸収冷凍機の利用もその対応策のひとつで、自然界に存在する水などを作動媒体とし、太陽熱や未利用熱を利用することができます。このような熱駆動型の冷凍機を主な対象に、エネルギーの有効利用を図り自然環境に調和する機器やシステムをどのように実現していくかという問題に取り組んでいます。
環境や人に優しい物流の研究をしています。例えば、環境面では、ドイツ一国分にも相当する国際海上輸送から排出されている二酸化炭素を削減するための方法やその効果の検証を行っています。船舶を大型化して輸送回数を減らす方法や空船航海を削減するための共同輸送等について、その削減効果を求めたり、有効な航路等を検討したりしてきました。 また、人に優しい物流として、ムダ・ムラ・ムリを排除した作業負担の小さい商品の置き方や作業時間を短縮するための作業方法の計画や改善策の立案方法について研究を行っています。実際の物流現場においてビデオ計測を実施するとともに、注文データ等のビッグデータの分析から 問題点の抽出や原因分析を行い、その改善策を提案しています。
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私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |