2024年11月8日
私は現在理工学部の材料系の学科で磁性・スピントロニクス分野で使われる材料について勉強しています。あまりポピュラーな分野ではないので、イメージがつかない人も多いかと思います。気になった方は、ぜひ一度どんな研究があるか調べてみてください。かくいう私も、初めからこの分野を志望していたわけではありませんでした。
高校生の頃は数学や物理がとても好きで、逆に国語や歴史がとても苦手でした。材料系に進学した理由は、自分が学びたい分野が選びきれなかったことや、就職できる分野が広そうだと感じたためです。
磁性・スピントロニクス分野に進むきっかけになったのは、鉱物との出会いです。大学2年の6月ごろに、宝石になりうる様々な種類の鉱物が日本の各地に産出することを知り、自分の目で見てみたいと思って鉱物研究サークルに所属しました。それから日本各地を巡ってフィールドワークを行ってきたことで鉱物や結晶に詳しくなれましたし、同級生や先輩に恵まれて最高の思い出をたくさん作ることができました。
鉱物の魅力にとらわれた後、鉱物の分析方法や結晶学をもっと学びたいという理由から、現在所属している研究室の先生のもとで研究室への早期配属プログラムに参加させていただくことにしました。その研究テーマが、磁性材料である酸化物薄膜の結晶成長についてでした。初めはあらゆる知識が全く足りず非常に苦労しましたが、研究テーマに鉱物としても知られるガーネット材料を選んでもらえたことや、これまで観察するだけだった「結晶」が様々な特性を持ち、様々な形で利用されているというのがとても新鮮で興味深かったことから、楽しく研究に取り組めました。現在はこのテーマで卒業研究を行なっています。興味があることだけ選んできて気づいたら今の研究分野にいましたが、全く後悔はしていません。
初めてのことに挑戦する時は少し躊躇われますが、やってみると案外良い結果が得られることが多いということを、サークルへの所属や早期研究から身をもって学ぶことができました。これから進路を選ぶ中高生の方で、工学系分野に興味があるけれど、難しそうだしよくわからなくて進学するか迷っているという方は、ぜひ思い切って工学系を選んでみてほしいです。そして大学生になったら面白そうだと思ったことにとにかく挑戦してみてください。きっと素敵な体験ができると思います。
将来目指している(目指していた)職業は何ですか? | 企業の研究者を目指している。 |
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工学部への進学を決めたのはいつごろ? | 中学生の時から理工系に行こうと考えていた。 |
工学系への進学理由は? | 実際にモノづくりができる理系学部だったから。 |
大学を選ぶ決め手になったものは何ですか? | 国公立大学であることと、都会に立地していること。 |
大学では何に力を入れて勉強(研究)していますか? | 磁性材料と結晶学、鉱物学。 |
女子が少なくて困ったことは? | 需要が少ないためか女子トイレが少ないこと。 |
理工系で就職は有利だと思いますか? | 文系より就職活動をしやすそうという点で有利だと思う。 |
本音で言うと、文系タイプ?理系タイプ? | 国語も社会も全くできないから理系にしか行けないタイプ。 |
高校時代に理数系の科目は得意でしたか? | 得意でした。理数系しかできなかったです。 |
高校時代の苦手科目は? | 世界史、日本史、現代文 |
アルバイトをしていますか? | 塾講師 |
クラブ・サークル活動などをしていますか? | 他大の化石鉱物研究会に所属。 |
今一番興味があることは? | 鉱物の研究と結晶成長。 |
工学部に来て大変なことは? | プログラミングが苦手なのに必修だったこと。論文が英語で読むのに時間がかかること。 |
工学部に来てよかった事は? | 興味がある授業をめいいっぱい学べることや、自分から求めれば学会参加などの貴重な経験を積ませてもらえること。 |
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私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |