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生レポート!大学教授の声

「面白い」を見つけよう!

2024年10月18日
熊本大学 情報電気工学科
野口 祐二
「面白い」を見つけよう!

ある日曜日の父娘の会話。
(高二女子)どの科目を選ぶか迷っているんだけど。
(父)なになに。。。。
(娘)数学IIIをとるかどうか。。。
(父)折角だから数IIIも勉強すればイイんじゃね?
(娘)薬学部へ入学するには、数IIIは対象外。診療放射線の学部では、数IIIが必要。
(父)薬剤師と医療系技師のどちらに興味があるんだ? 薬の開発に興味があるのか?
(娘)・・・・・

母親の刷り込みで薬剤師が候補に挙がっているだけで、その動機は薄い。医療系技師はドラマの影響か。

高専に在籍していた自分を振り返ってみると、将来の夢や職業については1ミリも考えていなかった。
何となく高専に入学し大学に編入しようと考えていた。

転機が訪れたのは、大学4年生の時であった。配属された研究室で電子材料を扱っていて、
助教が「固体電子論」のプロだった。彼のコメントや議論は斬新で衝撃を受けた。格好良かった。
自分も電子論に惹かれて、博士課程に進み、気づいたら大学の助教になっていた。

助教として赴任した研究室のボスから「誘電体をやってほしい」と言われた。
「難解な誘電体だけはやりたくない・・」と考えていたが、二つ返事で了承した。選択肢はなかった。

今では、「誘電体の電子論」を軸とした研究活動を行っている。思い返せば、興味の対象が見つかった
時点で、方向性は決まった。「面白い」と思った研究をとことん突き詰めただけだ。迷いはなかった。
苦手であった「誘電体」も一山超えれば「ただの材料」。「面白い」と思うまであっという間であり、
知らず知らずのうちに苦手意識は霧散していた。

高校生や大学生のうちから、興味の対象を見つけるのは簡単ではない。しかし、未来の「面白い」が、
幾度も目の前を通過しているのかも。。では、身の回りを注意深く観察してはどうであろう。
大学のオープンキャンパスで「面白い」が見つかるかもしれない。科学技術セミナーで講師の話に刺激を受けるかもしれない。

「面白い」を見つけた時点で、進むべき方向性は決まる。後は突き進むだけだ。その先には明るい未来が拓けている。

千里の道も一歩から。千里進めばゴールだ。アプローチは単純明快、ベストを尽くす。できることはこれだけだ。
まずは第一歩を踏み出してほしい。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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