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生レポート!大学教授の声

失敗こそ未来への発射台

2024年11月8日
九州工業大学 宇宙システム工学科
北川 幸樹
生レポート!大学教授の声

 皆さんは、たくさん「失敗」していますか?「成功体験」ばかり追い求めて、「失敗経験」から遠ざかっていませんか?

 工学の世界では、失敗こそが最高の先生です。新しい技術や革新的な製品を生み出すためには、失敗は「避けるべきもの」ではなく、むしろ「進歩のための糧」となります。成功体験で得られるものも素晴らしいですが、失敗から得られる学びは、その何倍も価値があります。成功する人と、そうでない人の違いは、失敗したかどうかではありません。違いを生むのは、「失敗を活かしたかどうか」です。失敗を無駄にするか、次へのステップに変えるかで、未来は大きく変わります。さて、その未来を切り開くためには、どうしたらよいのでしょう?

 ここで注目したいのが、アメリカの民間企業SpaceXの挑戦です。彼らは次世代ロケットの開発を進める過程で、数多くの打ち上げテストを行っていますが、何度も何度もロケットを爆発させています。その度に、彼らは失敗を恐れるどころか、スタッフ全員で拍手喝采!日本人には理解しがたい光景なのですが、彼らには明確な理由があります。ずっと先の「火星に人類を送り届ける」という壮大なゴールが見えているからこそ、爆発も成功の一部として捉えられるのです。「1回の失敗で、ゴールにまた一歩近づいた!」と。

 ポイントは、ずっと先の目的(ゴール)を見据えることです。どんな失敗も、未来の成功へのヒントを含んでいます。だからこそ、失敗した時には「なぜ失敗したのか」「何が足りなかったのか」を徹底的に分析しましょう。その瞬間、ただのミスが「進歩のための糧」に変わり、あなたを一歩ゴールに近づけてくれます。挑戦をすれば、必ず失敗が付き物です。しかし、その失敗こそが新しい可能性を切り開く鍵になります。たくさん失敗するほど、自分の限界を知り、次のステージへと登るための力が身につきます。失敗があるからこそ、人は進化するのです。そして、その先には必ず成功が待っています。

 さて、失敗してみたくなってきましたか?工学部の学生のうちに、たくさん「失敗」してみて下さい。どんなに失敗しても、そこから学び続ける限り、皆さんは必ず成長し、工学の力で未来を変える力を手に入れます。失敗を恐れずに挑戦し続け、より豊かな未来を創造できる世界へ飛び立ちましょう。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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