皆さんは化学分野をどのように捉えていますか?
天文学や医学のように華々しいニュースが出る領域ではないので地味で目立たないと感じるかもしれませんが、実はものづくり産業の根幹を成す必要不可欠な領域が化学なのです。
化学メーカー以外のいくつかの分野における化学の関わりを紹介します。
自動車産業=機械・電子とイメージしていると思いますが、車は機械・電子以外の部材も必要とします。例えばトヨタの要素研究部門で紹介されている、電動化、軽量化、エネルギー・CO2ゼロ、電池・FCといった研究では化学がふんだんに利用されており、化学系学科を卒業した学生さん達が活躍しているのです。
電池こそ化学技術の賜物です。電池を販売しているのは電機メーカーですが、電池の原理は化学であり、高性能二次電池や次世代燃料電池の開発を行っているのは、化学出身の技術者です。太陽電池も同様で、パネルの高効率化研究を行い次世代エネルギーに貢献しようとしているのは化学者なのです。
環境汚染物質は化学物質ですが、化学そのものが原因ではありません。地球上の全物体は化学物質である以上、汚染物質が化学物質であるのは当然です。むしろ化学の力で汚染物質を回収し、環境改善をはかることが出来るのです。さらにバイオマスのような再生可能資源を使ったモノ作りにも化学技術が用いられます。環境に役立つ技術開発は化学系学科でこそ行えるのです。
製薬企業=薬学部出身と思っていませんか?実は製薬企業研究所の半数は薬学部以外の出身者と言われています(工学出身の私もかつて製薬企業の研究所に勤めていました)。薬そのものは有機化合物なので、高い専門性を持つ化学の学生は企業から求められており、本学化学コースからも多くの学生が製薬企業に就職しています。また工学系化学では製薬に役立つ薬以外の知識も学べます。例えば、私の研究室では有機化学だけでなくドラッグデザインに繋がるコンピュータ分子設計も学べます。
以上のように化学は産業に欠かせない領域であるため、就職先の業種は多岐にわたり、景気に左右されず良好な就職状況となっています。実際、本学化学コースの修士学生の9割強が大企業に就職しています。
本学化学コースは、大学院進学率6割強(MARCHでは3~4割)を示す研究志向のコースです。皆さんも本学化学コースで学んでみませんか?
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