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生レポート!大学教授の声

工学部の中のデザイン・建築

2026年1月30日
京都工芸繊維大学 工芸科学部
金尾 伊織
和楽庵(写真奥の洋館)京都高等工芸学校(京都工芸繊維大学の前身校)の教授であった武田五一が設計した建物で、2021年に京都工芸繊維大学に移築再生された。このプロジェクトでは、デジタル加工技術などの新しい技術が活用されている。和楽庵(写真奥の洋館)
京都高等工芸学校(京都工芸繊維大学の前身校)の教授であった武田五一が設計した建物で、2021年に京都工芸繊維大学に移築再生された。
このプロジェクトでは、デジタル加工技術などの新しい技術が活用されている。

 私が所属している「工芸科学部 デザイン・建築学課程」は、いわゆる工学部とは少し様子が違っているかもしれません。工学というのは、「工業に役立てることを目的として、自然科学的手法を用いて、新製品、新製法、または新技術を研究する学問」(精選版 日本国語大辞典より)とあります。しかし、デザイン・建築の分野では、自然科学の知識や手法のみで成り立つものではありません。私の専門は建築構造ですので、建築の分野で例を挙げます。

 世の中には、何十年もの周期で修復を重ね、何百年と存在する神社仏閣や公共施設などの建物が多数存在します。加えて現在では、近代建築の「保存再生」が積極的に進められています。これらの修復、保存を行うときには、その建物が持つ歴史的な価値、技術的な価値について、歴史的、社会的な観点から様々な検討を行う必要があります。しかし、実際に建物を残そうとすると、安全性を確保するため建物の構造を補強する技術が不可欠であり、工学的な立場からの知見、技術が必要となります。一方では、工学的な側面だけではなく、歴史・文学などの異分野の専門家と協同して物事を進めていくことも必要となります。

 工学部の中には機械、電子、情報から化学、生物、土木、デザイン・建築まで、様々な学科が存在し、異なる研究が行われています。工学部の中において、デザイン・建築は、昔から他の分野との関わり合いを持ってきた分野ではないかと思います。最近では、新しい技術が実装される場面では問題が複雑に絡み合い、決して工学的知見だけでは解決できないことが増えてきています。

 工学部を目指す皆さんには、色々な分野に興味や広い視野を持ち、様々な考え方があることを理解して、工学に基づいて新しい未来を切り開いてください。そんな皆さんと、いつの日か一緒に議論を重ねられることを楽しみにしています。

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