皆さんは、算数や数学が「面白い!」と思ったことがありますか?「受験のために」「〇〇をするために必要だから」などの理由で、数学を嫌々学んできた方も少なくないでしょう。現在、大学で数学を学んでいる私自身も、証明が中心の授業には苦手意識がありますが、これまで数学を面白くないと感じたことは一度もありません。
私は母の影響で幼少期からピアノを始め、小学校・中学校時代は毎日のピアノレッスンと吹奏楽部での活動を通じて、音楽漬けの日々を過ごしていました。高校卒業後は音楽大学に進学し、将来は音楽に関わる仕事をしたいと思っていました。しかし、中学受験時に出会ったフィボナッチ数列の規則性や、高校の数学Ⅱで学んだパスカルの三角形に色をつけることで現れる芸術的なフラクタル図形に魅了され、数学にも興味を持ち始めました。そして、数学Bの教科書に掲載されていたピアノの写真とともに紹介された平均律や、数学者ピタゴラスが定めた音律についてのコラムが、私の人生を大きく変えました。数学が物理学や化学といった自然科学分野だけでなく、音楽や芸術といった分野にも深く関わっていることを知り、まるで人類の営み全体が数学を中心としたパラボラアンテナのように感じられました。数学を学びたいという強い衝動に駆られた私は、大学では数学を専門に学ぶことを決意し、島根大学総合理工学部数理科学科に入学しました。現在は軽音楽部で活動しながら、勉学にも励んでいます。
島根大学総合理工学部では、複数の専門分野を学べるコースが用意されており、私は数学とともに材料工学、情報学、音響工学を学んでいます。1年次には、島根県が古くから誇る「たたら製鉄」をはじめとする材料科学の可能性や、素材の作り方とその性質について学びました。2年次には、情報学に関する研究過程を通じて研究とは何かを理解し、刺激を受けました。そして3年次の今、音響工学における数学の応用について研究を始めており、この研究を4年次の卒業研究に繋げて、数学と音楽の新たな接点を探っていきたいと考えています。自分の好きな分野同士をつなげて学ぶことができるのは、大学ならではの醍醐味だと思います。
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