広島大学工学部4年、建築設計・デザインについて学んでいる学生です。学生生活では茶室や森林の中の滞留施設、まちづくりなど様々なジャンルの建築設計コンペに参加して設計技能を身に着ける日々を過ごしています。
建築設計コンペとは提示された課題に対して、建築的なアイディアによってその問題を解決するというものです。良い作品を作るために休日や睡眠時間を削ることも珍しくなく、それだけ時間をかけても落選することがあります…ですが、課題に対して思考を巡らせる過程で建築学や社会問題に関する知識が養われ、設計技量は確実に向上します。また、どんな表現方法を用いればより伝わるのか?そのためにどのツールのどんな機能を用いればより良いのか?「説明する」を「訴えかける」に昇華させられるのか?といったことを考える過程で作品の発表技能も向上します。これは建築に限らず、様々な場面で活用できる重要な能力です。
この「建築設計コンペ」の面白いところは、単に成績が良いだけでは良い建築をつくれない点だと思います。敷地に足を運び、類似作品の情報を地道に集め、そのうえで知識とひらめき・感性が良い作品を形作る。これは教科書や解法パターン通りに順を追っていけば100点がとれたテストとは大きく異なる点であり、難しくもその一方で一番面白い点です。
もちろん、教科書の知識を確実に身に着けることも重要です。基礎知識がないと建築と呼べるものをつくれませんし、適切な知識の積み重ねは作品に強い説得力をもたらしてくれます。また、誰よりも学業に力を入れることで今まさに私がこのHPの文章の執筆をしているように、他の人にはできない経験をさせて頂くことも少なくありません。
ただ、教科書を読んでテストで100点を取るだけの大学生活を過ごすのは非常にもったいないことだと考えています。比較的まとまった時間を確保でき、1日のスケジュールを高校よりも自由に調整でき、多彩な施設やツールを利用でき、…そんな大学生の時期にしかできないことが皆さんのまわりに溢れています。設計コンペに限らずともサークル活動・地域活動・イベントへの参加など、自分の学生生活を豊かにする「何か」を一つ、ぜひ探してみてください。
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