海外技術研修で変わったこと |
「時間のある学生のうちに海外経験をした方がいい・・」このような言葉をよく耳にします。でも、きっかけがないと中々実行できるものではありませんよね。私も、海外に興味はあっても、きっかけと一歩踏み出す勇気がなく、「日本が一番。言葉は通じるし、安全だし・・」という気持ちを持っていました。ですから、配属された研究室での技術研修の話がなければ、東南アジアに行く機会を作ることができなかったと思います。
昨年8月、タイのカセサート大学において、1ヵ月半の技術研修に参加しました。初めての東南アジアということで、出発直前まで不安で仕方なかったのを憶えています。
技術研修中、毎日実験を行っていたのですが、大学内の実験室に充分な器具がなく、またガラス器具の汚れや高価な機器の薬品汚れが多いという状態に驚きました。足りない器具はお店で売っているものを活用して自作し、滞在1週目は実験がほとんどままならない状態でした。
日本とは勝手が違うため、上手くいかないことも多く、「日本はよかったなぁ・・帰りたいな・・」と思いながら過ごしていたある日、衝撃を受けました。私が知り合った学生は、ほとんど専門用語を英語で何と言うか知っているのに対し、私は専門用語も自分の研究内容も英語で何一つ説明することができなかったのです。それはとても恥ずかしく、悔しさが募りました。
いくら日本で実験器具が豊富でも、自分の研究や発見したことを世界中の人に伝えることができなければ真の国際技術者とはいえないのではないかと思い、その日から改心して、実験をしながら自分が言えなかった専門用語から日常会話に使う言葉まで、全てメモしておき、調べ、吸収するという作業を繰り返しました。理系だからこそ、英語が必要だと思い知らされた時でした。そのようなことがあり、英語は苦手ですが、日本に帰ってからも留学生と英語で、間違えても良いから、積極的に話すようになりました。
この経験により、知らなかった世界を知ることができ、学生のうちに海外へ行き見聞を広める意味を理解できた気がします。海外に興味はあるけれど迷っている人がいたら、勇気を持ってぜひ行ってみたらいいと思います。視野が広がり、自分を成長させる良い機会になるはずです。きっかけをどう生かすかにより、今後の自分の取り巻く環境や視点に、大きくプラスに変わると思います。
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