「卒業後にも活きる学生時代の経験」 |
私は現在、航空会社に勤務しており、主に羽田空港を発着する飛行機の整備を担当しています。高校時代から将来は飛行機やロケットなど航空宇宙関係の仕事に就きたいと考えていたため、大学入学時には機械工学を専攻し大学院の修士課程では航空宇宙工学について学べる専攻を選択しました。大学院での研究テーマはロケットスレッドの基盤技術に関するものでした。このような研究は他大学ではほとんど行われておらず、参考になる資料もわずかだったため研究の過程では実験が思い通りにいかず苦労することもありました。また、研究に必要な実験装置は自分たちで設計し、製作可能なものは学内施設の"ものづくり基盤センター"でボール盤等の工作機械を使用して実験装置を製作しました。製作した実験装置を使用して行った、小型ジェットエンジンの試験やハイブリッドロケットエンジンでの走行試験などは貴重な体験になりました。
また、大学進学時から海外での仕事やメーカーでの仕事に興味があったため、修士課程1年目の夏には経産省が募集していた海外インターンシッププログラムに参加しました。1ヶ月間、中国上海市にある日系自動車部品メーカーの現地工場で製品の生産に携わり、取引先の企業を訪問することができました。急成長を遂げる中国でものづくりの現場を見ることができたことは、国際感覚や工学的視野を広げる大きな刺激になり、自分の将来や就職活動を考える上でも貴重な機会になりました。
航空会社の技術職として、飛行機の整備を担当するようになった現在でも、学生時代の経験が活きていると感じることがあります。私が行っている飛行機の整備作業では通常2人~5人程度で一つのチームを作り、飛行機の出発時間までの限られた時間内にチーム内で協力して効率よく作業を行わなければなりません。そのような環境では、自分の手を動かして実験装置を製作し、先生や学生と協力して実験場で装置を組み立てた経験や、初めて訪れた中国でほとんど言葉の通じない中コミュニケーションをとり、一つの製品を一緒に作ったインターンシップの経験が活かされています。現在は仕事をしながら飛行場の整備に関する基礎知識と技術を習得していますが、将来的には海外の航空機メーカーとの共同開発などに携わりたいと考えています。
いまでも久しぶりに学生時代の友人と会えば、当時の思い出話や現在の仕事に関する話で盛り上がります。このような仲間と出会えたことも私の学生時代の財産であると感じています。これから大学に進学される皆さんは是非たくさんの人と出会い、多くのことを経験してほしいと思います。その出会いや経験が卒業後にも貴重な財産になります。
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