和歌山県立和歌山工業高校の建築科で、建築に関する教科を教えています。工業高校では、建築甲子園と呼ばれる設計競技に高校生と共に参加したり、和歌山大学と連携して防災に関連したまちあるきや、和歌山気象台と連携した大雨ワークショップを行っています。時には地域の工務店の方に来ていただいたりと、様々な分野の授業を担当しています。
私は卒業研究で、漁村集落の裾野に広がる広場である「ハマ」空間の変遷と現在の使われ方の研究をしました。
建築というと、意匠設計を思い浮かべる人も多いと思われます。一見、建築と集落は結びつかないように思えます。しかし、何かを提案したり、建築を考えたりするうえで、建築の周りにある環境やそれを取り巻く風土や慣習、生活の周りにある文化的なことを含めて考える幅広い見方も重要であります。これは、漁村集落での調査と研究室での活動が、建築と社会性、建築と環境など、同時に考える大切さを気付くきっかけとなりました。
工業高校でも、できるだけ地域をフィールドにしながら、多角的に建築を考えられるようにしていきたいと思います。
大学で、建築という分野に出会いました。何事も勉強と思いながら、建築事務所で模型を作ったり、設計競技に参加したり、研究室の調査を手伝うなど様々なことに挑戦しました。
大学4回生のときには、フランス国立トロワ工科大学に交換留学生として1年留学しました。3DCADや工業に関することを勉強しながら、休暇を利用してヨーロッパ13カ国を回り、多くの建築や集落を見ました。
また、大学のグラウンドに陸上用の高飛びマット用の小屋(117㎡)を作ろうと、学生だけで企画をして、設計・施工まで行いました。その時にお世話になった大工や左官の方々が、工業高校に指導に来てくださったりと、今でもつながりがあります。これらの様々なことに友人と共に挑戦したことが現在に活かされている思います。大学時代には、何か一つの目的に向かうだけでなく、裾野を広げることが重要だったと今だから、感じることもあります。
和歌山大学システム工学には、高い志を持つ人が集まります。そのような友人に囲まれ、自分の夢を実現しようと努力できますし、自分の夢に自信のない人も、在学中にきっと自分の夢が見つかります。
私のパートナーは、同じ研究室の同級生で、現在、建築設計の仕事をしています。同じ分野なので、お互い仕事のことを理解しやすく、大変な時や困ったときは、アドバイスをくれます。好きな分野で働き、自分がやりたいと思えることを持つことが、結婚してからも働き続けられる要因につながっていると思います。また、今の職場は子育てしながら働く女性教員が多くいますので、安心し、出産・育児に取り組めると思います。
皆さんも、是非和歌山大学システム工学部で生涯やりたいと思える分野をみつけてください。
掲載大学 学部 |
和歌山大学 システム工学部 | 和歌山大学 システム工学部のページへ>> |
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |