なんでも自分でやってみる面白さ |
私は埼玉大学工学部電気電子システム工学科に入学しました。この学科を選んだ理由は電気だったら将来潰しが効きそうだなぁという程度のものでした。しかし自分の認識とは異なり実際に入学してみると、全くイメージしていなかった分野が数多くあり衝撃を受けました。幅広い分野で講義を受けていく中で私は半導体や光について興味を持つようになりましたが、入学当初は全く想像もしていませんでした。
大学院では次世代高効率太陽電池に関する研究を行いました。「光を利用する半導体」ということで興味を持ったわけですが、実際勉強してみると素子一つを作るのに非常に多くの課題や面白さがあることに驚かされました。
現在は昭和電工株式会社で半導体基板に関する研究開発に携わっています。大学での研究とは異なる材料ですが、実験の基本的な考え方や、様々な専門分野の方とのコミュニケーションの取り方など、大学で学んだことが非常に役に立っていると感じます。
私が工学部に入って楽しかったと思うことは、様々なことを自分の手でやってみることができるという点だと思います。私の研究は太陽電池に関するものでしたが、例えば材料の種類や作製方法、電流を取り出すための電極などがあります。この中で私は、材料そのものを作り、実際に太陽電池の形として作製し、光を当てて電流を取り出すというところまで自分の手で行いました。その他にも、計算ソフトを用いて理論計算を行ったり、実験で用いる部材をフライスで加工したりもしました。もちろん初めて挑戦することはなかなかすぐには上手くはいきませんが、多くの人に助けられながら研究を進めることができ、非常に良い経験になったと感じています。
これから大学を選ぶ高校生のみなさんに伝えたいことは、今は興味が無いことでもとにかく何でもやってみようという気持ちを持って欲しいということです。自分が興味を持っていることから大学を選ぶわけですが、本当にそのままそのことを続けている人ばかりではありません。思いがけないところで楽しさを感じる瞬間があるかもしれませんし、その経験が後々会社に入ってから生きることがあるかもしれません。大学に入ってみるとイメージと違っていて不満に感じることもあるかもしれませんが、どんなことでも自分で手を動かして真剣に取り組んでみれば後悔のない大学生活を送れるのではないかと思います。
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