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おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

虹を作ろう

2022年2月10日
北見工業大学 工学部

はじめに

 雨が降ったあと時々見ることができる虹。なぜ、見える時と見えない時があるのでしょう。実はある決まった条件を満たすと、虹は必ず見ることができます。ここではまず、部屋の中でも見ることのできる虹を工作してみましょう。その後、虹が見える原理について学びましょう。

準備するもの

  • 青いボード(画用紙など)
  • クレヨン
  • スプレーのリ
  • ガラスビーズ

※ガラスビーズはネットショップなどで「AS ONE BZ-02」で調べてみてください。

実験手順

  1.  まずは、青いボードにクレヨンで絵を描いていきましょう。このとき、ボードの上と下に好きな絵を描いて、真ん中には虹をかけるための空間を少し空けましょう。

  2.  次に、ボード上にスプレーのリを吹き付けます。まんべんなく付けられるように、少し離した位置からスプレーしましょう。周りにのりがついてしまわないように、新聞紙を広く敷いておくと安心です。

  3.  次に、のりが乾いてしまわないうちにガラスビーズを振りかけます。ガラスビーズが周りに落ちてしまわないように、大きめの容器などの中で振りかけましょう。

  4.  容器を傾けてボード全体にガラスビーズが行きわたったら、ゆっくりボードを容器から取り出しましょう。

  5.  出来上がったボードを両手で持って、太陽や明るいスポットライトが頭の後ろになる位置で見てみましょう。作ったボード上に虹が浮かび上がって見えます。

  6.  作成した作品は、ガラスビーズが落ちてしまわなければいつでも虹を見ることが出来ます。透明なビニール袋に入れて保存しましょう。

原理

 太陽の光のような白く見える光は、実は赤、緑、青など様々な色の光が混ざり合ったものです。この白い光は水滴のような透明な物体に入射する時、「屈折」という現象を起こして進行方向が曲がります。実はこの時「屈折」する角度は光の色毎に少しずつ異なっており、「屈折」した光は色ごとに分かれて進んでいきます。この現象を「分散」と呼びます。虹が見える時は、太陽の光が大気中から雨粒に入射して屈折し、雨粒の裏側で反射して、雨粒から屈折して大気中に戻ってきた光を見ていることになります。

 より詳しい原理を解説すると、虹が見える時、前方には雨雲、後方には太陽が出ています。太陽の光は、前方の雨雲から降っている雨粒に入射し、分散した光が虹が見える位置に向けて戻ってきます。この時、一滴の雨粒から戻ってきた光ではなく、多くの雨粒から戻ってきた光が虹色のアーチを形成することで、結果として空に架かる虹を見ることができるのです。太陽ー雨粒ー観測点の間で必要な角度は決まっており、42°程度となる条件で見ると、必ず虹を見ることができます。

 今回紹介したガラスビーズを用いた虹の工作では、青いボード全面に付いたガラスビーズが雨粒と同じ役割を果たしています。そのため、作品上でアーチ状の虹を見たい時は、本物の太陽や太陽の代わりとなるスポットライトやLEDなどを頭の後ろ側になるような向きで観察してみましょう。

さいごに

 虹は「屈折」、「分散」、「反射」という現象によって見えているということがご理解いただけたでしょうか。虹の他にも、光に関するきれいな自然現象は数多く存在しており、その多くは基本的な現象で説明することができます。もし身の回りで不思議だなと思うものを見つけたら、是非その原理を調べてみましょう。

参考文献

原田建治,酒井大輔,原田康浩,桑村進,曽根宏靖,亀丸俊一,「人工虹スクリーンの改良」,応用物理教育,第36巻2号,2012年,pp15.

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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