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おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

超伝導体の磁気浮上実験

2018年5月18日
山形大学大学院 理工学研究科
中島健介 齊藤敦

はじめに

 高温超伝導体の塊を液体窒素で冷却し超伝導状態にします。この超伝導体を永久磁石の上にそっと乗せると、浮上状態となります。超伝導状態であり続ける間この浮上状態は続きます。超伝導体の温度が徐々に上がり、超伝導状態から常伝導状態に変わると、浮上しなくなり塊は磁石の上に落下します。これは、超伝導体が完全反磁性を示すことを確かめる実験であり、この現象がある温度より低いときに生じる現象であることを見ることができます。

解説

 超伝導体は、電気抵抗がゼロ、完全反磁性という特徴を持っています。この実験では、磁石の上にある超伝導体が完全反磁性によって、永久磁石の磁場とは逆向きの磁場を持って反発していることを直感できます。この完全反磁性は、磁石が落下するときに生じる磁場の変化を打ち消すように超伝導体に電流が流れ、電気抵抗ゼロの超伝導体中をその電流が流れ続けることでも説明できます。写真の白い部分は、発砲スチロールで、超伝導体が冷えている時間を長くするために超伝導体の塊はこの発砲スチロールの中に入っています。一般的な高温超伝導体は黒い色をしています。

結論

 超伝導体は電気抵抗ゼロという夢のある材料です。現在までに病院のMRI診断や、スマートフォンの通信基地局、宇宙を観測する電波望遠鏡に実際に応用されています。将来的には、脳磁場診断やリニアモーターカー、電力伝送への応用も進んでいます。夢のある材料として注目されてきた超伝導体ですが、冷やさなければならないというのが最大の問題です。室温超伝導の発見はノーベル賞間違いなしの研究テーマであり、飛躍的な産業の進歩が期待されます。

注意点
液体窒素の使う実験です。
液体窒素は、-196℃で沸騰して気化するので、直接触ったりしないようにしよう。
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