2016年2月4日
私は、これまでの人生における進学や就職という選択の中で、「女性だからできることをしよう」という意識は無かった。好きなこと、やりたいこと、恵まれたチャンスに乗り選択してきたら、今にたどり着いた。そのため、「工学に女性の視点を取り入れた斬新な研究をするためにはどうすればよいか」と尋ねられたときには戸惑った。私の場合は女性であることを強く意識することは無かったが、工学系に女性が少ないのは現実であり、女性という理由で工学系への進学を諦めている人、またそもそも進路選択の候補にも挙がらない人もいる、ということを知った。
教育に携わるようになり、このような諦めや無意識の壁をなくし、科学のおもしろさが伝えられる人になりたいと思うようになった。一方で、授業や研究指導で学生との交流を通じて、私自身が気付かされること、新たに発見させてもらえることがたくさんあることも実感した。伝えられる人になりたいというのは、今はまだおこがましい思いであることに気付かされたが、科学を学び、真理を追究していく中で、そのおもしろさを共有する人を増やしたいと思っている。
アカデミック機関で研究したいと思った理由のひとつに、基礎研究がしたいという思いがあった。その発展に多くの可能性があることに魅力を感じたからである。大学の研究者は応用先を考える必要はないと言われることもあるが、出口は常に意識していきたいと思っている。研究による発展や新たな発見の先には、必ず人々の幸せがあるからだ。技術は思考の転換により多くの可能性を生み出すため、様々な視点を取り入れることが重要とされている。その多様な視点は、専門分野の違いであり、文化の違いであり、男女の違いであると考える。幅広い可能性を持つ技術開発のため、まずは目の前のことにじっくりと向き合い、自分の強みを多く作っていきたい。
工学部への進学を決めたのはいつごろ? | 理系に興味を持つようになったのは中学生。工学部への進学を決めたのは高校3年生になってから。 |
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工学系への進学理由は? | 最先端技術の研究がしたかったから。 |
入学前と、入学後、工学部のイメージの違いは? | 高校生までは男子学生と話すのが苦手だったが、話してみるとみんな優しくて良い友達がたくさんできた。 |
文系の友達・知人と違うな~と思うところは? | 講義やレポート、実験で徹夜することもあったけど、何事にも積極的で刺激になる環境だった。 |
高校時代に理数系の科目は得意でしたか? | 物理は食わず嫌いで苦手だった。 |
アルバイトをしていましたか? | 結婚式場で8年間。 |
今一番興味があることは? | 自分の思いや考えを言葉にすることが苦手なので、どうすれば伝わるのか、納得してくれるのか、相手の気分が良くなるのかを勉強中。 |
工学部に来てよかった事は? | 自分の興味と向き合えたこと。たくさんの素敵な恩師、先輩、友人との出会いがあったから気付けたことも多かった。 |
掲載大学 学部 |
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私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |