2012年6月15日
私たちは、岩手大学工学部機械システム工学科の2年次に在籍しています。機械工学は、非常に幅広い分野を扱っていて、航空宇宙、環境動力からロボット、マイクロマシンなど科学技術のほとんどの領域に関与しています。その中でも、ものづくりに関しては基礎となる分野でもあり、機械設計、加工・組立、検査分析はなくてはならないものです。
岩手大学工学部は、起業家を将来の目標にしている学生に対して、ものづくりや実験環境を支援する事業を2009年度から開始させています。これは、岩手大学工学部が文部科学省から認可された「ものづくりエンジニアリングファクトリー」(以下、ものづくりEF)事業で、ものづくり教育の基礎を強化しようとするものです。そして、その事業の一環として、学生がものづくりを実践的に学び、起業家精神を養う場としての仮想会社「学内カンパニー」が発足しています。
私たちは、このものづくりEF事業に昨年参加し、岩手大学のマスコットキャラクター「がんちゃん」を製作しました。決まったデザインに後から機能を付加するという作業は非常に挑戦し甲斐があり、実践的な雰囲気を感じることができました。今年は「羽黒とんぼの羽をモータで再現する」という企画が持ち上がっています。通常、とんぼの羽は4枚ありますが、とんぼの種類によって休憩時における羽の収納方法はかなり異なります。そこで、この収納様式を模型で再現しようとするものです。これは、とんぼの羽の動作を機械工学的に再現することによって、ものづくり、ロボット、機構学を学ぶことを目的にしています。まだ、企画段階のアイディアですが、今までの大学にはない事業に参画することに挑戦したいと思っています。
3月11日の震災では、東北から関東にかかる広い地域で大きな被害が発生し、岩手の沿岸地方は壊滅状態となってしまいました。幸い、大学がある盛岡市の被害は大きくなく、大学の設備も一部を除いて大きな損傷はなかったようです。私たち学生が復興にできることは非常に小さく無力だと感じますが、工学を学び、技術者として復興に貢献できればと思っています。同じような気持ちをもった仲間がたくさん岩手に集まってくれたらと思います。
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私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |