2020年9月4日
東日本大震災で多くの小中学生が独自の判断で津波から逃げることができたエリアがあります。「釜石の奇跡」と呼ばれる避難行動は、群馬大学教授の片田敏孝先生(現・東京大学情報学環特任教授・群馬大学名誉教授)が長年にわたって指導した結果でした。それをテレビで見て「災害時の正しい判断や行動に繋がる実践的な防災教育について、工学的な目線から学んでみたい」と思い、社会基盤・防災コースを選びました。環境創生理工学科は理系の中でも女性の比率が高いというのも魅力的でした。
災害社会工学研究室では、災害時の避難行動や自主防災活動、防災教育に関する実践的研究を通じて多くのことを学び、研究活動の一つとして小中学校の防災教育に実際に参加するなど、とても充実した研究室生活を送ることができました。
大学でのクラスは40人ほどで、その小ささも良かったと思っています。私が所属した研究室では同期の仲間6人がそれぞれの研究に打ち込み、テーマは各自で違いましたが、情報を共有することで自分も一緒に学ぶことができました。卒業後も集まったりして今でも仲が良いです。
4年間所属した剣道部では、夏は暑く冬は寒い中での厳しい環境のなかでの練習で、今の仕事に役立つ体力を身につけられました。当時の剣道部の仲間との絆は、今でも続く強いものです。
私は民間企業で自分の学んできたことを活かしたいと考え、土木工事現場の施工管理業務を選びました。とても責任のある仕事で、とくに土木は天候や季節に左右されるため大変な時期もありますが、その分やりがいも大きいです。当社の土木工事部では初めての女性技術者となりますが、今後現場で働く女性は増えていくと思うので、女性の働きやすい環境づくりに貢献していきたいです。
土木は橋、道路、水道、トンネル、ダム、堤防などの構造物といった私たちの生活に欠かせない基盤となるものを作ります。災害復旧も土木の仕事です。「将来自分が携わった構造物が社会の基盤となり、地域住民の生活を支えているのを実際に見てみたい」、そのスタート地点が大学での学びです。災害対応の専門知識をはじめ、測量、コンクリート工学、構造力学など、建設の基礎知識をしっかりと身につけることができたと思っています。これから学部・学科を選択する皆さんには、学ぶ環境の整った大学生活で思う存分に力を蓄えて欲しいです。
工学系への進学理由は? | 土木や都市計画に興味があったから。 |
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大学を選ぶ決め手になったものは何ですか? | 国公立であること、国公立の中でも理系女子が多いこと。 |
大学では何に力を入れて勉強(研究)していますか? | 構造力学やコンクリート工学、計画理論など。災害時の避難行動や自主防災活動、防災教育などソフト対策に関する研究にも力を入れていました。 |
女子が少なくて困ったことは? | 学科はもちろん、部活にも女子の繋がりがあったので、困ったと感じたことは特にありません。 |
男子が多くて良かったこと、困ったことは? | 女子だけでは入りにくいような、がっつり系のご飯屋さんに男子に紛れて行ける。ダイエット中も高カロリーなご飯になりがち。 |
文系の友達・知人と違うな~と思うところは? | レポートや課題の量。専門科目が多いため、テスト前の勉強時間も多いように感じました。 |
本音で言うと、文系タイプ?理系タイプ? | なんだかんだで理系タイプ |
高校時代に理数系の科目は得意でしたか? | 数学は好きでした。物理は苦手。化学は最初は苦手でしたがだんだん好きになりました。 |
アルバイトをしていますか? | 大学時代は靴屋のショップ店員をしていました。 |
クラブ・サークル活動などをしていますか? | 剣道部に所属していました。 |
工学部に来て大変なことは? | レポートや課題、期末試験。特に期末試験前は大変でした。 |
工学部に来てよかった事は? | 興味があることに対して専門的な観点から学べること。また専門的なことを学ぶ中でさらに自分のやりたいことや興味が広がりました。 |
掲載大学 学部 |
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私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |