福島大学宇宙論研究室では、物理学の基礎理論である一般相対性理論、場の量子論、素粒子物理に基づいて、宇宙の創生と進化を首尾一貫して記述し得る宇宙進化の理論的研究を行っております。それと並行して、宇宙の発展を支配する重力理論の研究、重力波やブラックホール等の宇宙物理学に関連した研究も進めています。本稿では、近年本研究室で取り組んで来た現代宇宙論に関するアウトリーチ活動についてご紹介いたします。
2022年12月に福島大学が開催機関となり、「第35回 理論懇シンポジウム」を開催しました(参加登録者数:325名(内、現地参加者数約210名))。私はその組織委員長を務めました。シンポジウムの冒頭に福島市長からご挨拶を頂戴し、福島市と福島県から計100万円の開催補助金を賜りました。アウアウトリーチ活動として、シンポジウム翌日に福島市市民講座 「膨張する宇宙の不思議:ダークマター、ダークエネルギー」(主催:福島市、共催:福島大学、参加者数:156名)を開催し、福島大学三浦浩喜学長からもご挨拶を頂きました。
2023年8月に福島大学基礎物理学実験室において、日本学術振興会ひらめき☆ときめきサイエンス「膨張する宇宙ってどんなだろう?~膨張する宇宙をプログラミングしてみよう~」を開催しました。宇宙の膨張は、1929年、遠くの銀河の後退速度を観測することによって発見されました。20世紀末になり、宇宙マイクロ波背景放射及び超新星の観測から、現在の宇宙が加速的に膨張していることが確かめられました。今後の精密な観測から宇宙の進化の歴史がより明らかになると強く期待されます。しかし「宇宙が膨張する」とは一体「どのような現象なのか?」「どのような振る舞いをするのか?」等については、直観的には見当のつかないとても不思議な観測事実だと思われます。またプログラミングの技法の必要性は、これからますます高まっていくことが確実であると考えられます。そこで、中学生・高校生の受講生の方々を対象に、初めに現代宇宙論に関する講義を行いました(写真)。続いて、膨張する宇宙の数値シミュレーションを通じて宇宙論研究の一端を感じてもらうことを目的とて、Phytonを用いて宇宙の発展方程式の数値解析のプログラミングを体験していただきました。
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