皆さんこんにちは。私は福島大学大学院共生システム理工学研究科に在籍している修士2年生です。今回は私の研究内容や大学院生活を簡潔にご紹介できればと思います。
私の所属する研究室では、宇宙の誕生から現在に至るまでの宇宙の進化と発展について解明する初期宇宙論を中心に、ブラックホールや重力波、バリオン数生成、天文系のデータ解析など、宇宙に関連する多岐にわたるテーマを扱っています。
中でも、私は「非特異バウンス宇宙」というシナリオについて学士過程から研究しています。バウンス宇宙とは、宇宙が膨張から収縮へと転じるとするシナリオで、時間を過去にさかのぼると時空の曲率が発散し、古典的な物理では説明できない特異点に到達してしまう宇宙の初期特異点問題を回避することが見込まれています。しかし、特異点を回避するようなシナリオでは、一般的に望ましくない不安定性を伴うことが知られており、いかに安定なモデルを構築するかがバウンス宇宙を考える際での課題です。修士課程では、スカラー曲率とスカラー場を結合した項を含む、R²型のバウンスモデルの安定性評価を行うことを目的とし解析を行っています。最近はもっぱら摂動計算を勉強するために論文や書籍を読み漁る日々を送っています。
来年度には博士課程に進学することが決まっており、元々興味を持っていた機械学習を、これまで行ってきたバウンス宇宙論に応用した研究に取り組む予定です。
大学院での研究を通して、私は自己管理の重要性を学びました。研究を進めるために自身が今何をするべきかや、それをいつまでに達成すべきかなどの研究計画を立案することはもちろん、研究とアルバイトやプライベートとのバランスを保つことも、有限な時間を効率よく活用し、かつ健康的な生活を送るうえで必要です。また、研究を行うモチベーションの維持も求められます。私は自分の研究が思うように進まないときは、趣味のプログラミングや読書を通じて気分転換を図ることでモチベーションの維持に努めています。
最後に、私は学類時代と大学院時代を合わせてかれこれ6年間大学に通っていますが、大学時代はあっという間に過ぎ去ってしまいます。皆さんには、研究や勉強はもちろんのこと、アルバイトや友人との交流など、今しかできないことを大切に、思う存分学生活を楽しんでいただければと思います。
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