私は「三国志」に登場する中国湖北省荊州市の片田舎出身です。教育熱心なまちで、小学校のころから将来いい大学に入ると夢見ていました。そのため、中学校から勉強漬けの毎日でした。中学校は夜9時ぐらいまで授業があり、その後に教室が消灯になりますが、引き出しから蠟燭を出して照明にして勉強し続けたこともあります(先生も空いている席で深夜まで私たちを見守っていました)。大変だったか?! いえ、目標があるので学ぶことが楽しかったです。大学は自分がエンジニアになることを「カッコいい」と思っていましたので工学科の電気電子工学科に進学しました。しかし、高校まで大学進学しか考えておらず、大学卒業の後何をするか考えてなかったので、目標を失った時期もありました。電気電子工学科では、多くの人が卒業後安定して給料もいい電力会社を目指しましたが、毎日同じ仕事を繰り返すことには面白みを感じず、いったん大学院へ進学しました。そこで国際学術会議に参加した時、「研究者は世の中の役に立つ仕事だ」と魅力を感じてやっと研究者になるという目標を持つことになり、日本へも留学し、研究者の道へ進みました。
現在コンピューターを使った電気機器の設計を主とした研究として取り組んでおり、テーマは今話題の環境にやさしい「省エネ」電気機器の開発です。地球温暖化が加速する中、電気製品に対する国内外の基準が厳しくなってきています。電気自動車のモーターを始め、さまざまな電気機器を小型で軽く効率の良いものにするために、エネルギーを数字で見える化し、その分析を続けています。企業との共同研究で実際に良い商品ができたとき非常にやりがいを感じます。また、教員の立場としては学生の成長を間近で見られることにも大きな喜びを感じるのです。
現在理工学部ではまだまだ女性が少なく、壁はありますが、前例を作っていけば女性にとっての働きやすさも改善していくはずです。ぜひ多くの女子高校生も理工学科に進学し、一緒にキャリアという樹を育てていきましょう。
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私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |