高校生の皆さんが理系クラスで学ぶのは、数学、物理、化学、生物といった科目ですが、これらを学ぶことは物事の理(ことわり)、すなわち自然界の原理を学ぶことで非常に大切です。しかし、理(ことわり)、あるいは原理を学んで知識にしただけで、この世界はうまく回るでしょうか。好奇心を満たすことは重要ですが、好奇心は出発点で、その先にさらに別の意志が働かないと、世界は発展はおろか持続すらできません。
皆さんの周囲にある人工物は、全て誰かが作ろうと思って発明したから世の中に存在します。つまり、さまざまな材料や電車や自動車やコンピュータや建造物は、種を蒔いて木が育って実がなって、と言うように自然に出来てくるわけではなく、誰かが作ろうと思って発明したからこの世に存在します。工学とは意志の学問と言われるように、人の意志によって物を、あるいは新しい原理を作り出す創造性にあふれる学問です。そして、この世界を持続させるためにも、意志に基づく創造性が必要なのです。
かなり抽象的な議論でイメージが湧かないと思われるかもしれませんが、工学の分野は幅が広いので、これから学んで創造するといろいろな面白さ、楽しさが味わえます。高校生の皆さんはこれから大学あるいは大学院で学んで社会に羽ばたこうとしているわけですので、自分の人生を創造しようとしている段階です。したがって、皆さん自身の人生を面白く、楽しく、充実した人生にすること自体が創造的営みで、工学と相通ずるものがあると思いませんか。
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