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生レポート!大学教授の声

 

海から未来へ!

 
2010年6月3日
東京海洋大学 海洋工学部
鶴田 三郎

海から未来へ!

みなさんは「海」という言葉で何を思い浮かべますか?海岸に砕ける波ですか?港に出入りする船ですか?群れて泳ぐ魚ですか?それとも赤い大きな夕日が水平線に沈む瞬間ですか?見る位置をどんどん高くして人工衛星の高さまで上がると、広い海と、その海に囲まれた日本が見えます。ふだんの生活で、海を見ることができる人や、海を意識している人は少ないかもしれませんが、家や、学校や、町からどの方向に進んでも、最後は海に突き当たるのが私たちの島国日本です。

この海に囲まれた島国で私たちは生活をしています。私たちが生活するためには、食べ物が必要です。服が必要です。テレビや携帯電話が必要です。車や電車が必要です。電気やガスが必要です。残念ながら、これらすべてを日本で生産することはできません。服の原料となる羊毛や綿花は100%が輸入です。パンの原料となる小麦は86%が、とうふの原料となる大豆は95%が輸入です。世界の国々から輸入し、そして世界の国々へ輸出し、世界と交流することで、日本の私たちの生活が成り立っています。

海から未来へ!

海に囲まれている日本の人々が豊かな生活をするためには、海を通して、船を利用して、食品を輸入し、商品を輸出しなければなりません。例えば工業製品はコンテナに詰められて輸出されます。コンテナ1個に積み込まれる製品の価値は平均おおよそ1000万円です。コンテナを5000個積む船ですと、その価値の合計は500億円にもなります。この高額な商品を、冬の荒波の中でも、夏の暴風の中でも、安全に、確実に、地球に優しく、世界中に、そして世界中から運ぶためには、優れた輸送技術、機械を開発することが、またいろいろな技術、機械が一体となって働く仕組みが必要です。人々が必要とする商品を、必要な時に、必要な場所に届けることのできる、人と技術と機械と仕組みが必要です。海に囲まれた日本の人々、そして世界の人々が豊かな生活ができることを目指す、「海から未来」を目指す工学がここにあります。

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