海から未来へ! |
みなさんは「海」という言葉で何を思い浮かべますか?海岸に砕ける波ですか?港に出入りする船ですか?群れて泳ぐ魚ですか?それとも赤い大きな夕日が水平線に沈む瞬間ですか?見る位置をどんどん高くして人工衛星の高さまで上がると、広い海と、その海に囲まれた日本が見えます。ふだんの生活で、海を見ることができる人や、海を意識している人は少ないかもしれませんが、家や、学校や、町からどの方向に進んでも、最後は海に突き当たるのが私たちの島国日本です。
この海に囲まれた島国で私たちは生活をしています。私たちが生活するためには、食べ物が必要です。服が必要です。テレビや携帯電話が必要です。車や電車が必要です。電気やガスが必要です。残念ながら、これらすべてを日本で生産することはできません。服の原料となる羊毛や綿花は100%が輸入です。パンの原料となる小麦は86%が、とうふの原料となる大豆は95%が輸入です。世界の国々から輸入し、そして世界の国々へ輸出し、世界と交流することで、日本の私たちの生活が成り立っています。
海に囲まれている日本の人々が豊かな生活をするためには、海を通して、船を利用して、食品を輸入し、商品を輸出しなければなりません。例えば工業製品はコンテナに詰められて輸出されます。コンテナ1個に積み込まれる製品の価値は平均おおよそ1000万円です。コンテナを5000個積む船ですと、その価値の合計は500億円にもなります。この高額な商品を、冬の荒波の中でも、夏の暴風の中でも、安全に、確実に、地球に優しく、世界中に、そして世界中から運ぶためには、優れた輸送技術、機械を開発することが、またいろいろな技術、機械が一体となって働く仕組みが必要です。人々が必要とする商品を、必要な時に、必要な場所に届けることのできる、人と技術と機械と仕組みが必要です。海に囲まれた日本の人々、そして世界の人々が豊かな生活ができることを目指す、「海から未来」を目指す工学がここにあります。
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私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |