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生レポート!現役学生の声

知識という武器

2020年11月27日
名古屋工業大学 工学専攻 創造工学プログラム
M.I.

 大学では何を学ぼう?ずっと興味があった考古学、地球科学や宇宙工学もすごくロマンがあるし、もっともっと私が知らないだけで他にも面白い世界があるかもしれない。そう考えるとなかなか一つに決められませんでした。次第に人の暮らしをより豊かにしたいという気持ちが芽生え、工学部に行こうと一旦は決めたものの、ここでも幅広い工学分野の中で何を専攻しようかとたくさん悩みました。悩んだ末、選んだのが名古屋工業大学の創造工学教育課程でした。この課程では、半年間様々な分野の授業を受けた後に、専攻する学問分野を選択します。専攻を選択後も、他分野を学べなくなるのではなく、選んだ分野を主軸としつつも、他分野を学ぶことも可能です。つまり、選べなかった私は、選ばないという選択をしたのです。

 私は現在、機械工学分野の医用生体工学研究室に所属しています。医用生体工学とは医学と工学を融合した学問です。本研究室に見学に来られた方は、本当に工学部なの?と思うかもしれません。一見、医学部のような実験を行っているのですが、私たちは生体のしくみを工学的な観点で研究し解明することを目的にしています。あまり関連がないように思える生体と工学ですが、私たちの体のしくみも数式で説明がつくのかも…と考えれば、工学の世界は幅広いんだなとわくわくしてきませんか?

 研究室に入った今、創造工学教育課程での広い視野で工学の知識・技術を学んだ経験が活きていると実感します。私が研究をする上で一番面白いと感じるのは、今まで蓄えたすべての知識を使って研究で生じる疑問について考えることです。私は脊椎動物の心臓進化の方向性を探ることを目的に研究を進めており、医学や工学以外にも考古学や生物学などの知識が研究に活きることも多いです。工学部に進んだことで疎遠になってしまったと思っていた学問に触れるたびに、専攻する学問について悩んだ時間や工学以外の学問も好きだという気持ちが報われるような気がします。

 皆さんもこの先、たくさん決断を迫られる機会があると思います。その際、選ばなかった選択肢が自分の中から消失してしまうわけではありません。数年後、数十年後に背中を押してくれたりヒントになることがきっとあるでしょう。その時にあの決断は間違ってなかったと自信を持って言えるよう、培ってきた知識を活かして自分が信じた道を突き進んでほしいと思います。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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