皆さんは、「工学」にどのようなイメージを持つでしょうか。中学や高校では、数学や理科は学びますが、あまり工学には馴染がないかもしれません。工学は「基礎科学を工業生産に応用して生産力を向上させるための応用的科学技術の総称(広辞苑)」とあります。すなわち、皆さんが学んでいる数学や物理、化学、生物などを応用して、社会に有用なものや状態を作り出そうという学問になります。工学は、数学や自然科学を応用することが多いため理系と扱われることが多く、分野としては、土木工学、機械工学、電気工学、化学工学から始まり、近年では材料工学、情報工学や、総合工学である航空宇宙工学、船舶海洋工学、エネルギー工学など様々に広がりを見せています。さらに、現在では、文系と理系の枠を越えた複合領域である教育工学や医工学、福祉工学、金融工学などの研究もさかんに行われています。
工学の成果としては、古くは運河・橋・道路の建設に始まり、蒸気機関の利用や、電気機器の開発、皆さんの身近なところでは、インターネットやスマートフォンなどがあり、人の生活をより豊かなものにしています。日本でインターネットが一般に利用されるようになったのが1990年代中頃から、スマートフォンはおおよそ2000年からでまだ20年も経っていませんが、皆さんは、インターネットやスマートフォンのない生活は考えられないでしょう?
私が専門としているシステム制御では、対象をシステムとして捉え、そのシステムを如何に望ましい状態にするかについて考えます。対象は様々で、海洋工学の分野では、海洋の温度差から発電を行う海洋温度差発電(OTEC)システム、海水から淡水を製造する海水淡水化システム、医工学の分野では、身体の自由がきかない運動障害者に対して眼の動きで意思疎通を図るコミュニケーションシステムなどの開発を行っています。
あなたも、自分の得意な科目の先にある、人類に役立つ技術の研究・開発を行う工学について、大学で学んでみませんか。
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私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |